【インタビュー】Job master VOL.9 ブランドマネージャー(スポーツメーカー) 中野 吉広

さまざまな職業で活躍する人に迫るJob master。第9回目は、商品売り込みの戦略を立てるブランドマネージャー。今回はソフトテニス関連商品のブランドマネジメントを担う中野さんに迫ります。

―お仕事の内容を教えてください
 社内のさまざまな業務を担当しているのですが、基本的には商品の企画から仕入れまでを行う商品企画という仕事をしています。ルーセントではボールやウェア、ネットやコートブラシなどのソフトテニスに関わるものを販売しているのですが、商品企画では、ウェアの企画が主になります。その年ごとに決めたテーマで企画をして、デザインを起こし、商品を作ります。さらにそこから出来上がってきたものを発注して生産管理、仕入れまでが僕の仕事ですね。それとはまた別の業務になるのですが、東京都ソフトテニス連盟の競技委員をやっていてその連盟が主催する大会の運営、プログラム編成などもやっています。メーカーとしてソフトテニスの大会に協力することもあるんです。

―商品企画をされてから出来上がるまでどのくらいの期間なのですか?
 例えば夏物の商品だと、まず5月くらいにアイディア集めを始めます。他社製品などを見つつ、ルーセントならではの商品を作るための方向性を決めていきます。7月くらいになると、実際に商品のデザインをするデザイナーと何度かミーティングをして、テーマ決め。9月くらいにデザイン画が上がってくるので、そこから商品のサンプルを作り始めます。11月くらいに第一弾のサンプルが上がってくるのでサンプルを見つつ修正をして、1月くらいに修正したサンプルが再度上がってくるので、その商品をそのまま展示会に持っていくというパターンが多いですかね。2月と7月に展示会があって、2月が来シーズンの冬物の展示会、7月が翌年夏物の展示会なんですけど、その2つを並行して進めることもあるので、夏物と冬物が混乱してくることもあります(笑)。5月になるとまた次の企画が始まったりもするので、並行して進めるために頭を使うことが多いですね。
 
―現在のお仕事を目指し始めたキッカケは?
 僕は中学生の時からソフトテニスをやっていて、高校、大学と続けていたのですが、高校の時のソフトテニス部には顧問の先生がいなかったんです。だから、当時キャプテンだった僕が同級生や後輩に教えたり、練習メニューを作ったりしていて。そういった経験から、体育の先生になってソフトテニス部の顧問をやりたいと思っていました。先生になるために教員養成大学である東京学芸大学に入学したんですけど、勉強していくうちに、よりソフトテニスという競技全体に関わりたいという想いが強くなり、スポーツメーカーに就職することにしたんです。そこから就職活動で何社か回っていくなかで、ソフトテニスの実業団チームがあったルーセントに入りました。自分もソフトテニスのプレーヤーでありながら、ソフトテニスという競技に関われるのがここだと思ったんです。入社してからは中学生に向けたソフトテニスの講習会活動などもしていたので、もともとの夢であった「人に教える」ということも今の仕事を通して叶えられましたね。

―全国の高校生に伝えたいことは?
 興味があることは興味を持った瞬間にどんどん深掘りしていってほしいです。僕もそうなんですけど、自分が興味を持ったこと、不思議に思ったことでも結構その場で流してしまったりするじゃないですか。僕も知らないことはまだまだあって、その場で調べるとやっぱりいろいろな発見があるんです。そのことを調べていてもそれ以外のことが知識として入ってきたりもするんですね。だからやっぱり興味を持ったこと、不思議に思ったことを無駄にしてほしくないです。そういうのって結構若い頃からクセをつけといた方が良いと思います。どんなにくだらないことでもいいので、まず調べてみることから始めてほしいです!

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<ジブランドマネージャー(スポーツメーカー)中野吉広を知る3つのコト>

1.常に持ち歩く万年筆
「インクの感じで字が上手くなった気になれるので、入社数年後からは万年筆派です(笑)。」
2.打合せの必需品・メジャー
「寸法を測ることが多いので欠かせません。使いすぎて目盛りが消えちゃっています(笑)。」
3.手帳とスマートフォン
やらなければならないことは付箋で手帳に貼り、スケジュール管理はスマートフォンという使い分け。