さまざまな職業で活躍する人に迫るJob master。第13回目は、音楽ディレクターに迫ります。
―お仕事の内容を教えてください。
CD制作における現場監督という仕事をしています。アーティストが新しくCDを作るとなった時に、そのアーティストに関わるレコード会社のチームと、アーティストマネージメント側のチームの連携を取って、CD完成までの管理をしていきます。音源からジャケットの制作、特典として入るDVDやフォトブックまでCD関連の制作物にはすべて関わっています。スタジオのスケジュールだったり、エンジニアの調整だったり、実際に手を動かして音楽を制作するというよりも、円滑に制作が進行するよう管理をすることが、僕の主な仕事内容になります。あとは、方向性がまだ定まっていない新人アーティストなどに多いのですが、どういった売り出し方をしていくかなどといった、プロモーションの企画時点から関わることもありますね。
―一つの作品を作る際にどれくらいの時間がかかるのですか?
平均で言うと2ヶ月~3ヶ月くらいだと思います。まず曲のベースを作るプリプロダクションという工程があり、その後、楽器や歌のレコーディングが行われます。それが終わると音のバランスを整えたりするミックスという作業に入り、そこからマスタリングという作業で音圧を上げたりして最終調整し、CDにする際のマスター音源が出来上がります。そこにミュージックビデオの撮影やジャケットの作成などが並行して入ってくる感じですね。
―音楽ディレクターとして苦労する点は?
1つのアーティストでもてんやわんやなので、一気に6つとか7つのアーティストを担当するともう大変ですね。レコーディングとかは必ず音楽ディレクターがついていないといけないので、そういった現場と他の打ち合わせが被ってしまった場合はどうにかして調整しないといけなくなります。だから結構調整能力が必要な仕事だと思います。
―音楽ディレクターとしてやりがいを感じる点は?
やっぱり自分が関わったCDがリリースされた瞬間ですかね。僕CDショップに行くのがすごく好きなんですけど、実際に自分が関わったCDを手に取っているお客さんの顔を見るのがすごく好きなんです。初めて関わるアーティストは、打ち合わせをして過去の音源を聴いて、ライブを観に行ってと、そのアーティストを知ることから始めるので、そういった自分の関わるアーティストのCDを手に取っている人を実際に目にするとやりがいを感じることができますね。
―音楽業界を目指している高校生が今からできることは?
自分の好き嫌いに関わらず、いろいろなジャンルの音楽を聴くことじゃないですかね。ロックだけしか聴かないとか、ジャズだけしか聴かないとかだと、この仕事をするには知識の差が出ちゃうのかなと思っています。僕も日本のロックを聴くようになったのは、この仕事を始めてからだったりするんです。だから高校生のうちにいろいろなジャンルの音楽を聴いておくのは、今後においてメリットになってくると思いますね。
―全国の高校生に伝えたいことは?
“やらなきゃ”と思ってやることって社会人になってから結構多くて。“やりたい”と思ったことを最大限にできるのが学生だと思うので、自分が“やりたい”と思うことを一生懸命やって欲しいと思います。
お仕事言葉辞典>>>音楽ディレクター編
アーティスト・アンド・レパートリーの略称。レコード会社における職務の一つで、アーティストの楽曲管理や新人アーティストの企画などを行う部署を指す。音楽ディレクターの場合、肩書はA&Rディレクターとなる。
お仕事道具見せてください!
仕事の必需品イヤホン、ヘッドホン
スマートホンで音楽を聴く際にはBluetoothのイヤホン、パソコンで音楽を聴く際には音質の良いヘッドホンを使用。音楽ディレクターには欠かせないお仕事道具です。
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