第25回目のSpotlightは新潟県立海洋高校の「食品研究部」です。“能水商店”で、地元の食材を活用した商品の開発・製造・販売など、流通に関わる全てのことを生徒が主体となって行う食品研究部。それぞれの得意分野を活かし、開発・製造・販売、さらには海外販売などもこなす高校生を紹介します。
Activity>>生徒自らの手で商品を製造・発信する活動風景
能水商店って?
2015年に、水産加工事業所「シーフードカンパニー能水商店」が設立され、高校生による地元の鮭を活用した魚醤「最後の一滴」をはじめとする商品の開発・製造・販売を行う活動が全国的に注目を集めます。その後、さらなる発展を目指し「株式会社 能水商店」が設立。この「株式会社 能水商店」で「食品研究部」の生徒が、商品の開発・製造・販売・マーケティングなどの活動を展開しています。
Interview>>海外で私達が作った魚醤を広めていきたい
―能水商店起ち上げのキッカケは?
松本:私は16年間海洋高校で教諭をしていました。赴任当初、地元の川に上がってくる鮭の、いくらを採り除いた魚体が活用されていない様子を目の前で見たんです。その時に水産を学ぶ学校として、こういった産業廃棄物となってしまう魚体を有効活用することが一つの学習テーマになるのではないかと思いました。そこから商品開発をしていく過程で、学校の実習では体験できない、ビジネスのなかに生徒が参画するという学習体験を作っていきたいと思ったのが、能水商店の始まりですね。その時から海洋高校の教諭と能水商店の責任者として2足の草鞋でやっていたんですけど、事業が大きくなるに連れて忙しくなり、学習活動のはずが作業をこなすだけのルーティンワークになってしまって。しっかりと物を考えるような質の良い学習プログラムを作るためには、事業所自体の安定的な運営が必要だと思ったので、教諭を辞めて能水商店の社長という立場になりました。
―食品研究部に入ったキッカケは?
田村:私は長野県出身なんですけど海が好きで、海洋高校がある能生によく釣りをしに来ていたんです。そこで海洋高校のことを知って、魚や海のことを学びたいと思って入学しました。食品研究部自体は入学してから知って、活動に興味を持ったので入部することを決めました。
池田:僕は魚を捌くのが好きで、高校では魚のことを学びたいと思っていました。中学校の先生に相談したら、先輩で海洋高校に行った人がいたんです。さらにその先輩に「食品研究部っていう魚に触れる部活があるぞ」って聞いたので、海洋高校に入学することを決めて食品研究部に入りました。
―能水商店の活動内容は?
田村:学校と能水商店の工場、大きく2つの活動エリアがあるんですけど、学校の活動は主に学校での分析です。うま味成分などを分析して、商品の開発に役立てています。
池田:能水商店での作業は、学校帰りに能水商店の工場でイカを捌いて、一夜干しなどの商品を作っています。週に1回程度、鮭や甘エビ、あんこう、ブリなどの魚醤の仕込みもします。出来上がった魚醤のラベル貼りなども全て自分たちでやっています。
―今後チャレンジしたいことは?
田村:販売会や商談会で海外に行く機会があるのですが、もっといろいろな国に行ってみたいです。パスタの隠し味に使われているコラトゥーラという魚醤があるのですが、私達が作っている魚醤はコラトゥーラより安価で同じ役割を担えると評価されています。もっと海外で私達が作った魚醤を広めていきたいと思っています。
池田:僕は将来料理人になりたいと思っているのですが、作業中の整理整頓が苦手で……。能水商店の活動を通じてそういったことをしっかり学んでいきたいなと思っています。
Report>>食品研究部に欠かせない3つのもの
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能水商店公式HP▶▶http://www.nousui-shop.com/