第34回目のSpotlightは長野県松本蟻ヶ崎高等学校の「書道部」です。毎年愛媛県で開催される“書道パフォーマンス甲子園”の常連校であり、今年8月に行われた第12回大会では悲願の初優勝を果たした松本蟻ヶ崎高校の書道部。年間60以上のパフォーマンスをこなす、実力派の書道部を紹介します。
書道パフォーマンスって?
巨大な用紙に大小様々な筆を使い、音に、動きに、言葉に想いを込めて、揮毫したり、パフォーマンスをしたりすること。書道パフォーマンスに打ち込む高校生の多くが目指す「書道パフォーマンス甲子園」は、毎年愛媛県の四国中央市で開催され、2019年開催の第12回大会では、全国35都道府県から106校の応募があるなど、全国的にも注目されています。
小林: 中学3年生の時に蟻高の文化祭で書道パフォーマンスを見て、書道部に入りたいと思いこの学校に入学しました。もともと習字は、4歳の頃から教室に通って習っていました。
松岡: 私は逆に高校に入るまでは本格的に書道をやったことはありませんでした。でも授業では書道を選択していて、文字を書くこと自体は好きだったので、書道部への入部を決めました。
園部: 私は中学2年生の時に、たまたまテレビでやっていた蟻高書道部のパフォーマンスを見て“すごい!”と思って。書道部に入るために蟻高に入りたいと思うようになりました。実際に入学して、部活動紹介のような形で先輩方がやっていたパフォーマンスを間近で見た時は、本当に感動して“自分もこのパフォーマンスをやりたい!”と思いました。
― 悲願の初優勝を果たした「第12回書道パフォーマンス甲子園」はいかがでしたか?
松岡: 私は大きい字の「書」を担当したんですけど、実は本番で自分の字を失敗してしまってあまり自信がなくて……。優勝で蟻高の名前が呼ばれた時は、驚きと嬉しさともうごちゃごちゃでした(笑)。
小林: 私は背景を担当しました。優勝発表の時は“もしかしたら呼ばれるかもしれない”という想いはありました(笑)。
園部: 私はサポートだったんですけど、もう開会式の入場の時から泣いてしまって、もちろん優勝が決まった時も泣きました(笑)。保護者の方もすごく喜んでくれていて、ここまでサポートを頑張ってきてよかったなと思いました。
― 部活動から学んだことは?
松岡: 字を書くことだけではなくて、礼儀や返事、お客様がいらっしゃった時の挨拶など、書道以外でも学べることがたくさんあり、そういったことは日常生活でも役立っています。
小林: 私たち書道部は結構ぶつかり合うこともあったんですけど、そういった部分から私はみんなの本気さを感じていて。厳しい人ほどみんなのことを思ってくれているんだなと思えるようになりました。
園部: 私は最後までやり通すことの大切さを学びました。初心者で書道部に入ったので、大会などに自分の作品を出品してもずっと入賞すらできなくて。だけど“銅賞でもいいから絶対入賞する”って頑張っていたら、最後は金賞をとることができたので、最後まで諦めずに頑張ることの大切さを学ぶことができました。
― 書道部の活動で想い出に残っていることは?
松岡: 今は引退してしまったんですけど、引退した今だからこそ、日々の練習がすごく大切な想い出になっています。もちろん一つ一つのパフォーマンスもすごく大切な想い出ですが、書道部で過ごした何気ない日々が一番の想い出です。