Worker’s file 美容サロン経営者佐伯真唯子

さまざまな職業で活躍する人に迫るWorker’s file。第17 回目は、全国約60店舗の脱毛サロン「KIREIMO」をはじめ、痩身サロンやパーソナルジムを運営する株式会社ヴィエリスの代表取締役 CEOの佐伯さんに迫ります。

佐伯真唯子（さえきまゆこ）
兵庫県神戸市出身。大学卒業後、大学のグループ企業に入社。その後、美容の専門学校へ入学し、2005年から美容業界へ。2013年、株式会社ヴィエリスの創業メンバーとして入社し、2019年代表取締役に就任。近年は“女性が働きやすい会社”をテーマにしたスピーチをニューヨークの国連本部で行うなど、女性たちが前向きに生きていける社会づくりのための活動にも精力的に取り組む。

組織としての強さはスピード感で試される

ー仕事内容を教えてください。

現在全国に約60 店舗ある脱毛サロン「KIREIMO」を運営していて、銀座には痩身サロンの「SLENDA GINZA」、西麻布にはパーソナルジムの「PLUS ME」を出店しています。1300人程いる従業員の98 %は女性という会社です。その中で私は広告施策や売上の管理、スタッフの管理を各セクションのマネージャーを通じて行ったり、サービスや商品の開発、企業ブランディングなどの業務をしています。

ー現在の仕事に就くまでの経緯を教えてください。

大学は工学部の海洋開発工学科だったのですが、卒業後就職した会社は、男性中心の縦社会という感じでした。同じ大学を卒業した男性の方と一緒の部署に入ったんですけど、私はお茶汲みのような事務作業から始まって、男性に比べると給料も低く、さらには将来のキャリアもあまり見えない会社だったんです。そんな時に個人的に通っていたエステで、女性がすごくイキイキと働いている姿を見て美容業界に興味を持ち、会社を辞めて専門学校に入学しました。専門学校を卒業してからはエステティシャンとして実際に施術を行ったり、本社業務に携わったりしていました。その後今の会社からヘッドハンティングを受けて、創業メンバーとして加わることになりました。もともと前職では営業部長をしていたのですが、出来上がった組織だと、自分の力だけで変えるのって難しいなと思っていたので、0から組織を作れることが魅力でした。創業当初は大変でしたね。スタッフの人数も少なかったので一人で何役もこなしました。例えば出店する予定のエリアに出向き、その町の動向などをリサーチしたり、物件を探したりと、あちこちを飛び回っていました。もともと私は働きたい欲が強くて一生仕事をしていたい人なんですよ。母が今72 歳で働いているんですけど、両親もずっと共働きでしたし、女性が仕事をするということにあまり違和感がないし、そういうものでしょと思って育ってきたところはありますね。

ー経営者として心がけていることはありますか？

社長と社員が密に話せる環境を作ることは心がけています。本社の社員は日頃から接することが多いのですが、全国各地に店舗があるのでそこのスタッフたちにはなかなか会えなくて。今は出張は控えているんですけど、基本的には各エリアの店舗で目標が達成された時などに開催される達成会には必ず顔を出しています。その時には現場のリアルな声として「最近困っていることは？」や「広告はどういうところに出した方がいい？」などを聞いて回っています。あとはやっぱり美容業界って移り変わりがすごく激しいので、一番求められることってスピード感なんですよね。組織としての強さもそこで試されると思っているので、何事もスピード感を持って臨むようにはしています。

ー高校生にメッセージをお願いします。

興味があることには是非チャレンジしてほしいと思います。私、もともと美容業界ってあまり興味がなくて、本当は獣医になりたかったんです。だけど大学に落ちてしまったので、受かった学部の中から「海洋開発って面白そう」と思ってチャレンジしてみて。そこで水泳の教員資格だったり、潜水士や船舶の免許も取りましたし、やってみると何でも奥深いんですよね。だから興味があることは恐れずに何度もチャレンジしてほしいです。それが今身にならなくても、今後生きていく上での強みには必ずなると思います。