海岸清掃やロボットを使った海洋環境教育などを行う「海洋環境保全グループ SOM」

海岸清掃やロボットを使った海洋環境教育などを行う「海洋環境保全グループ SOM」

全国の高校生のNEWSをお伝えする“全国高校生NEWS”。第24回は、海洋環境保全グループ SOM。中学時代に海洋環境保全のためのグループを立ち上げ、高校・大学とさまざまな活動をするグループの代表・落合さんに話を聞きました。

海洋環境保全グループ SOM
2016年、鈴鹿中等教育学校の2年生だった落合真弘さんが、釣りをしに行った海岸で海洋ごみを目にしたことをきっかけに、数名の友人たちと立ち上げた海洋環境保全団体。当時の鈴鹿中等教育学校の有志約25人が中心となって活動しており、現在は同校を卒業した落合さんを始めとする大学生を中心に、海岸清掃やロボットを使った海洋環境教育などを行っています。

海岸清掃やロボットを使った海洋環境教育などを行う「海洋環境保全グループ SOM」▲海岸清掃を通して、海岸のごみの現実を実際に目にしてもらいます。

海岸清掃やロボットを使った海洋環境教育などを行う「海洋環境保全グループ SOM」▲子どもたちに話をする際は、飽きさせないようにさまざまな工夫をして話を展開します。

大好きなものを守るために自分ができること

人間が出すごみによって、海が汚染される”海洋ごみ問題”。2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)では、“海の豊かさを守ろう”という目標も掲げられるなど、全世界が課題としている問題です。

そんな問題を解決したいと立ち上がった一人が、落合真弘さん。当時、鈴鹿中等教育学校に通う2年生だった落合さんは、釣りをするために行った海岸のごみを目にして衝撃を受けました。もともと海の生物が大好きだった落合さんは、海外の“海洋ごみ”の存在はテレビを通して知っていましたが、その時に初めて海洋ごみは日本の問題でもあるということに直面したのです。自分が大好きな海の生物たちが、自分たち人間が出すごみのせいで苦しんでいる。その現実を変えるために、落合さんは同級生に声を掛け、“鈴鹿中学・高等学校SOM”という海洋環境保全グループを立ち上げました。活動の目的は“海ごみ問題解決”。海岸清掃などは実施しつつも、海にごみを捨てる人の気持ちを変えなければならないという想いがありました。そのためにはまず海の生物を知ってもらうこと。実際に水槽にいる魚と触れ合ってもらうということも考えましたが、魚を知るための活動で、人間と触れ合うことによって魚が弱ってしまうことに疑問を持った落合さんは、過去にロボットを作ったことがあるという経験から、海の生物の形を模したロボットを製作。そのロボットを手にし、幼稚園などで海洋環境教育を実施し、活動の幅を広げていきました。

中学・高校時代の海洋環境保全活動を経て、現在は慶應義塾大学SFC環境情報学部に通う大学1年生の落合さんは次のように話します。「環境教育を行う際、海洋ごみが“多い”という言葉、海の生物が“かわいそう”という言葉、この2つの言葉は言わないようにしています。それは僕が諭すことではなく、目にした人たちが自分自身で感じてほしいからです」。高校を卒業した現在も“海洋環境保全グループ SOM”の代表を務める落合さんは、グループの活動を全国に広めることを目標に、個人としても新しい環境教育の展開を目指しているそうです。“これから捨てられるごみ=未来のごみ”を減らす活動は、さまざまな方法を経てこれからも続いていきます。

海岸清掃やロボットを使った海洋環境教育などを行う「海洋環境保全グループ SOM」

海岸清掃やロボットを使った海洋環境教育などを行う「海洋環境保全グループ SOM」▲魚の“スズキ”を模したロボットを製作している様子。魚の写真を見たり、実物の魚を購入するなどして、形や動き方を実際のスズキに近づけていきます。

海岸清掃やロボットを使った海洋環境教育などを行う「海洋環境保全グループ SOM」▲これまでに製作したロボットは、ウミガメやイルカ、スナメリなど多数!




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