vol.10 オリンピックに関するオカネのハナシ

今を生きる人すべてにとって身近な存在でありながら、あまり知らない“オカネのハナシ”。高校生が分かりやすい視点から、税理士・水村先生が“オカネ”について教えます!

オリンピックにまつわるお金を調べてみた

お金のハナシの読者のみなさま、こんにちは! 前回は大学進学にまつわるお金のハナシをしましたが、いかがでしたでしょうか。感想などございましたらぜひ編集部に送っていただけると嬉しいです。いつか読者の皆さんと直接会ってお話しする機会が訪れないかなと思って早一年以上経ちます。いつになったらコロナウイルスは落ち着いてくれるのでしょうか。それと同時に気になるのが、オリンピックは果たして開催できるのかどうか。そこで、オリンピックとパラリンピックにまつわるお金を調べてみました。

オリンピックを開催するために掛かるお金

ワイドショーなどでは、「オリンピックはやるべきだ!」「リスクがあるからやらないほうが良い!」などという討論がされていますし、とある政治家はあれだけ「やる!」と言っておきながら、やっぱり無理かもなんて言い出すような現状です。とにかく開催可否の判断が非常に難しい状況なのは間違いないですね。
さて、オリンピックを開催するためにも当然お金はかかります。ではいくらかかるのか、東京オリンピック公式サイトには右記のグラフが掲載されており、合計を見てみると……

16,440億円!

なんと、この表記では既に億の単位を超えてしまっています。正確には1兆6,440億円ですね。支出内訳は右記のとおりです。これを見るとオリンピック終了後にも使用できる施設の建築費用もあるものの、かなり高額であることは間違いありません。むしろ、この表で見るその他“200億円”に背筋がざわつきますが、本来オリンピックはこれほどの予算がかかったとしても、多くの国が自国で開催したいと思うような経済効果があるものであることが推測できます。

vol.10 オリンピックに関するオカネのハナシ

オリンピック予算といろんなお金を比べてみた

オリンピック予算に1兆6,440億円というお金がかかることを頭に入れたうえで、この予算額といろいろなお金を比べてみました。

▷▷ 2020年の国内のアイドルの市場規模(ライブ・グッズ総売上)…… 1,500億円 ※1
▷▷ 国内におけるユニクロの売上高…… 8,068億円 ※2
▷▷ MLBニューヨークヤンキースの資産価値…… 15,435億円 ※3

※1 矢野経済研究所調べ ※2 ファーストリテイリング社HP ※3 フォーブス誌調査

これらの金額を見ると、いかにオリンピックの予算が膨大なものか実感します。
別の視点に立って考えてみると、例えばこの1兆6,440億円を国民一人一人に山分けすると一人当たり約13,000円配ることができます。
さて今回はオリンピックを開催するために必要なオカネについてお話してみました。開催の是非についてまだまだ議論は続きそうですが、いずれにしても、コロナウイルスが収束し、人々がスポーツに熱狂する瞬間が訪れるのを願っています!

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