さまざまな職業で活躍する人に迫るWorker’s file。第32 回目は、テレビ番組のプロデューサーを務める廣中さん。子供の頃から大好きだった“テレビ”の仕事に18年間携わる廣中さんに迫ります。
広島県出身。高校生の頃、子供の頃から大好きだったテレビの仕事に興味を持ち、広島県の専門学校に進学。卒業後、テレビ番組制作会社である株式会社ガッツエンターテイメントに就職と同時に上京。これまで多くのバラエティ番組でアシスタントディレクター、アシスタントプロデューサーを担当し、現在は、『石橋貴明プレミアム』(AbemaTV)、『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系列)などの番組に携わる。
テレビ業界に向いているのは、何でも面白がれる人、“楽しい”に変換できる人
ー仕事内容を教えてください。
会社自体は、番組制作会社なので、テレビ局から発注を受けて番組を作っています。私の仕事はデスクワークがメインで、予算などお金に関することを管理することが多いです。もちろん収録がある時には現場に行くのですが、基本的には収録に向けての下準備の方が長いですね。あとはキャスティングで、番組に出てもらうタレントさんを決めてオファーもしています。キャスティングの幅を広げるために、いろいろな番組を観たり、テレビ誌やエンタメ誌をチェックすることも業務内容の一つですね。最近ではコンプライアンスにも慎重になっているので、番組でやろうとしていることがトラブルに発展しないかなども気にかけて、テレビ局と相談したりすることも多いです。また社内では、人事や若手スタッフの教育的な部分も私の仕事です。
ー現在の仕事に就くまでの経緯を教えてください。
小さい頃からテレビっ子で、毎週テレビ誌を買ってきて、観たい番組を一週間分チェックし、マーカーで線を引いているような子供でした。さらにその当時、番組内で演者さんがスタッフをいじったりすることが多くて、それを観ているだけでも、テレビ業界にはいろいろな職種があるんだと知り、面白そうだなと思ったんです。その後は地元・広島の映像関係の専門学校に通い、卒業後に東京に出てきました。親には反対されましたが、どうしても東京でテレビの仕事がやりたくて半ば強引に上京した感じです。上京と同時に、ガッツエンターテイメントに就職したのですが、想像以上にハードワークで辞めようと思ったことも何度もありました。ただ、親の反対を押し切って大口叩いて出てきていることもあり、意地で続けていましたね(笑)。
ー仕事をする中でのポリシーを教えてください。
自分とは相反する言動をされた時、そんなのありえない、それじゃ成立しない、とすぐにシャットアウトするのでなく、一度自分の中に取り入れてみるということはしています。新しい発見があるかもしれないですし、できることの幅が広がるかもしれない。考えが凝り固まらないようにというのは心がけていますね。
ーテレビ業界に向いているのはどんな人だと思いますか?
何でも面白がれる人、“楽しい”に変換できる人ですかね。ウチの会社はバラエティ番組を制作することが多いので、よくバラエティで見るビリビリや激辛などを、一回シミュレーションでスタッフがやるんです。その時に“嫌だな”と思うのではなく、普段の生活ではできないことなので“こんなことができるんだ!”とか、楽しい方に変換できる人は向いていると思います。
ーテレビ業界を目指す高校生ができることはありますか?
映像編集の技術は業界に入ってからでも学べるのですが、ナレーションの原稿を作る技術とかって、入ってから身につけるのは難しくて。だから活字に触れておくことは大事かもしれないですね。ナレーションの原稿や、説明用のテロップでも文章を書く力は必要になってくるので、国語力は大事かなと思います。
ー高校生にメッセージをお願いします。
学生のうちはいろいろなことを経験して、自分の間口を広げてほしいです。大人になってからだと、あまり好きではないことに労力を使うのは、選り好みをして避けるようになってしまうので、若くて脳が柔らかい内に、いろいろなことを吸収しておいてほしいなと思います。
お仕事言葉辞典 テレビプロデューサー編
【CX】 しーえっくす
フジテレビのこと。フジテレビのコールサイン“JOCX”が由来となり、テレビ業界では“CX”という呼称で呼ばれることが多い。日本テレビはJOAX、TBSはJORX、テレビ朝日はJOEX、テレビ東京はJOTXなど、各放送事業者ごとにコールサインが存在する。
お仕事道具見せてください!
ロケや打ち合わせなどスケジュールが変わることが多いため、内容ごとに付箋の色を使い分け、手帳に貼ってスケジュール管理をしているそうです。
廣中さんが携わる番組
5月7日(金)よる10時〜深夜0時30分
石橋貴明プレミアム 第10弾 ABEMAにて放送!(放送後1週間無料配信)