さまざまな職業で活躍する人に迫るWorker’s file。第34 回は、女優として今年20 周年を迎える池永亜美さん。映画やCMなどさまざまな作品に出演し、最近では新たな仕事“モーションキャプチャ”などを行う池永さんに迫ります。
大分県出身。中学2年生の時に女優を志し、養成所でのレッスンなどを経て2001年、自身が高校1年生の時に、九州のローカルCMに出演し女優デビュー。現在までに映画『フラガール』や、テレビドラマ『JIN-仁-(TNS系)』など、多数の映像作品に出演。現在はアニメやゲームなどのキャラクターの動きを行う“モーションキャプチャ”なども行っている。
“人の心を動かせる仕事ってなんて楽しいんだろう”という想いがある
仕事内容を教えてください。
女優としては、ドラマや映画、CM、舞台などに出演しており、ラジオ出演や、MCなどのお仕事もしています。さらに最近のお仕事としては、モーションキャプチャというものがあり、ゲームやアニメなどのCGキャラクターの動きを実際に私が行い、その動きがキャラクターに流し込まれるという仕事になります。たまにテレビなどで見ることがあるかもしれませんが、全身真っ黒の服を着て、関節部分に光を反射するマーカーをつけ、動きを感知したり、センサーが内蔵されたスーツで動きを撮影したりするものです。このモーションキャプチャのお仕事が最近は多く、ここ3〜4年はこれがメインになっていますね。
女優の仕事に就いた経緯を教えてください。
もともと本や漫画を読むのが好きで、読んでいる時にその作品に出てくるキャラクターのセリフを音読するのが好きだったんです。そんな中、中学2年生の時に小説のセリフを音読していたら、急に「女優になりたい」と思って。“私が音読しているこの状態が、そのまま職業になるのが女優だ”と思ったんですよね。思い立ってすぐに母に伝えたら、最初は「どうしたの?」って感じだったんですけど、すぐに“女優になるにはまず何をやればいいか”というのを一緒に考えてくれて。私の地元の大分県日田市は福岡県の県境に位置しているので、まずは九州の中の都会である福岡で、芸能プロダクションを探してみようということになりました。そして、福岡で見つけた役者の養成所に入り、毎週通って演技レッスンを始め、高校1年生の時に九州エリアで流れるCMでデビューをし、高校2年生で東京に出てきました。東京に出てきてからすぐの高校2〜3年生の時は、CMやドラマのレギュラー、雑誌撮影など忙しくさせてもらっていたのですが、徐々に露出が減っていき、アルバイトをしている時期もありましたね。それでも、昔のお仕事で繋がった方にまた呼んでいただくことがあったり。ありがたいことに今は女優業で生活をしています。人との縁のおかげで、今も女優ができているなと実感することはよくありますね。
女優としてのやりがいを教えてください。
ファンの方に「池永さんのお芝居を見て元気が出ました」などと言ってもらえるのはやりがいです。女優というのは直接見てくださる方がいる職種なので、人の心を動かすことができた時は本当にやりがいを感じます。特に今はSNSが発達しているので、もともと私のファンではなかった方が、舞台などを観劇してくれた後に「◯◯役の女優さんがよかった」とか、私に関する感想を投稿してくれていたりもするんですよ。やっぱり私は、女優という仕事に対して“人の心を動かせる仕事ってなんて楽しいんだろう”という想いがあるので、人に影響を与えることができたと思う時には女優としてのやりがいを感じることができますね。
高校生にメッセージをお願いします。
文高校生くらいの時って、やりたいことが見つからなくてネガティブになってしまうことがよくあると思うんです。高校生だけではなくて、大人になってもやりたいことがないからなんとなく仕事をしているっていう人って結構いると思うんですけど、それが悪いことだとは思わないでほしいです。“やりたいことを見つける”というのが任務になってしまうと、人生楽しくなくなってしまうんですよね。もし今やりたいことがなくても60 歳になってから急に見つかるかもしれないし、私みたいに突然やりたいことが湧いてくることもあると思うので、やりたいことを探すのがつらくなってしまうのであれば、日々楽しいと思えることに向き合ってほしいです。
お仕事言葉辞典 女優編
【Tポーズ】 ティーポーズ
モーションキャプチャをする前後に行うポーズのこと。両腕を肩の高さに上げ“T”の状態にすることで、体に貼っている全てのマーカーをカメラに収める。そうすることで、動いた際に見えなくなったマーカーの状態を予測することができ、さまざまなポーズを精密に再現することができる。
お仕事道具見せてください!
最近では台本がデータで送られてくることがあるため、自宅にはプリンターを装備。100ページを超える台本もあるため、コンビニなどの印刷では間に合わないことも。そのため、自宅で使えるプリンタは必需品だそうです。
INFORMATION
池永亜美さん公式サイト
https://www.ikenaga-ami.com