【インタビュー】Worker’s file 実業家 平良 司「今、明確な夢がなくても、焦らないでいいよと伝えたい」

さまざまな職業で活躍する人に迫るWorker’s file。第36 回は、地元・沖縄でさまざまな事業を展開する平良さん。人気番組『月曜から夜ふかし(日本テレビ系)』に度々登場し、実業家としても多方面から注目されている平良さんに迫ります。

Worker’s file 実業家 平良 司「今、明確な夢がなくても、焦らないでいいよと伝えたい」

平良 司(たいらつかさ)
沖縄県南風原町出身。19歳の時に愛知県の自動車工場に就職し、退社後、沖縄に戻り営業職を経て、29歳の時に飲食店“うちなーだいにんぐ じなんぼう”を出店。その後、飲食店、お土産屋、海ぶどう屋、シークワーサージュース屋を出店し、沖縄・東京・愛知で4台の移動販売車を運営。さらに、沖縄の特産品を販売する“想いっきり沖縄”の代表、自身が企画した商品“黒い濃い人”の商品製作などを行う株式会社ジョーグーの代表取締役を務めている。

常にチャレンジしながら沖縄を発信していきたい

仕事内容を教えてください。

飲食店を2店舗、海ぶどう屋とおみやげ屋を各1店舗、シークワーサージュース屋を1店舗、計5店舗を運営しています。さらに沖縄の食品などを販売する移動販売車が沖縄に1台、東京に1台、愛知に2台の、計4台。それに加えて現在は、飲食店とバーの出店準備中です。あとは海ぶどうを使った商品や、“黒い濃い人”というお菓子やグッズ、シークワーサーのお酒など、10〜15 点くらいの商品を作って販売しています。

現在の仕事に就くまでの経緯を教えてください。

25 歳までは沖縄で営業の仕事をしていたのですが、自分で何かを始めてみたいという考えが出てきて。そこから会社を辞めて、3年間くらいアルバイトをしつつ、29歳の時に“うちなーだいにんぐ じなんぼう”というお店を国際通りに出店しました。それまでは観光業に興味があったわけでもなく、沖縄への誇りというのも人並みだったんですけど、自分のお店で観光客の方と話をして、沖縄の魅力などをたくさん聞くようになり、僕自身が沖縄に興味を持ち出したんです。そこから沖縄のことを調べていって、沖縄をどんどん好きになり、3年後には海ぶどう屋を開業しました。今はそこから発展して、製薬会社と一緒に海ぶどうを活用した化粧品の開発などにも取り組んでいます。

コロナ禍でもイベントに参加されるなど、活発に活動されている理由を教えてください。

たぶん僕自身、止まっていられない性格なんですよね。あとは動かないと何も変わらないなと思う部分があります。ものを作ることも、作ったものを販売することも、動かないと何も始まらないんです。沖縄は本州とは離れているので、県外のイベントに積極的に参加して、県内にいるだけでは生まれないものや見えないものを、自分の目で見て感じるということはすごく大事にしています。常にチャレンジしながら沖縄を発信していきたいという想いはありますね。

仕事をする中でのポリシーを教えてください。

もともと僕の事業のスタートは飲食店で、その中で物販やお菓子作りなどいろいろなことをやっていたので、自分の中で仕事がぶれているなと感じた時期もありました。でも考えていくうちに、自分がやることというのは、仕事を通して沖縄を発信していくことなんだと思ったんです。飲食店を出したり、お菓子作りをしたり、自分たちはいろいろなやり方で、沖縄の良い部分を発信したりプロデュースをしているんだということに、ここ1〜2年は意識を置いてやっています。

高校生にメッセージをお願いします。

僕が高校生の時は、将来の夢や目標などが全くありませんでした。そんな自分に対して不安はあったのですが、今思えばそれはそれで良かったと思います。夢がないと恥ずかしいと思う人もいるかもしれませんが、大人になっても夢がない人ってたくさんいます。だから今、明確な夢がなくても、焦らないでいいよと伝えたいです。さらに、もし夢や目標が持てたとしても、その内容はコロコロ変わって良いと思います。しっかりと一つの目標を決めるのは良いことなのですが、それを達成できなかった時に失敗と捉えて落ち込んでしまう方が良くないと思うんですよね。掲げた夢が叶わなくても、そこに向かうまでの行動がいろいろなことに繋がるはずです。その時の目標に向かって遠回りをすることも人生の楽しさの一つだと思うので、いろいろなことに挑戦してみてください。


お仕事言葉辞典 実業家編

【にふぇーでーびる】 にふぇーでーびる

沖縄の方言で「ありがとう」を意味する「にふぇーど」に「でーびる」をつけた丁寧語で、「ありがとうございます」を指す言葉。平良さんの会社では、自分のことよりも相手に喜んでもらう“利他の心”を大事にしており、「にふぇーでーびる」をはじめとした、ポジティブな言葉が多く飛び交っている。

お仕事道具見せてください!

Worker’s file 実業家 平良 司「今、明確な夢がなくても、焦らないでいいよと伝えたい」

仕事関連のことを書き留めるノート
“平良さんにとってのパソコン”であるノート。メモやイラストを用いて思いついたアイデアを書き留めており、実際に形になったものは平良さんの店舗などで目にすることもできます。

INFORMATION

Instagram>>>tsukasa_jinanbou
YouTube>>>【嫁ニー】ハイサイ・イーヤーサーサー・シークヮーサー・メンソーレチャンネル