認定特定非営利活動法人カタリバが取り組む、生徒主体で校則を見直す「みんなのルールメイキングプロジェクト」において、note株式会社と連携し、校則見直しに取り組む全国12校の生徒たちの情報発信をサポートすることが決定した。その中の一つの取り組みとして、10月20日(水)に、noteのディレクターを講師に招いた生徒向けのオンライン授業を実施する。
<今年はルールメイキング元年?全国に広がる校則見直しの取り組み>
2017年、生まれつき茶色い頭髪を黒髪に染めることを強要されたとして、生徒が訴訟を起こした事件をきっかけに、「ブラック校則」という言葉が世の中に知られるようになりました。それから数年、子どもにとって理不尽とも捉えられる校則・ルールがあること、そして各学校でそれを見直す動きが活発化していることへの注目がさらに集まっています。2021年6月8日には、文部科学省から全国の教育委員会へ社会常識や時代に合わせて積極的に校則を見直すよう、「校則の見直し等に関する取組事例について(*1)」が示されました。校則は時代にあわせて変えていくものという認識が求められています。
カタリバは、経済産業省「未来の教室」実証事業として、2019年から、生徒主体で校則やルールを見直す「みんなのルールメイキングプロジェクト」に取り組み、プロジェクトに賛同する学校とともに、生徒たちの校則見直しのサポートを行ってきました。当時は2校から始まったこの取り組みも、今年度は新たに全国十数校の学校から手が挙がるなど、全国的な広がりを見せています。
(*1)文部科学省「校則の見直し等に関する取り組み事例について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1414737_00004.htm
<校則見直しは、ひとつひとつが中高生が主役のドラマ>
「みんなのルールメイキングプロジェクト」では、「ブラック校則」と言って校則を非難したり、生徒VS学校という対立構造に当てはめたりするのではなく、既存の校則やルールに対して生徒が主体となり、先生・保護者など関係者との対話を重ね、納得解を作ることを通して、課題発見・合意形成・意思決定をする力を高めていくことを目指しています。
<安田女子中学高等学校における活動の様子>
プロジェクトを通じて、生徒たちの大きな成長やさまざまな変化を目の当たりにする中で、生徒たちにとって重要なのは、「校則が変わった/変わらなかった」という結果ではなく、校則に関わる、さまざまなステークホルダーとの対話を重ねて答えを見つけるという経験、プロセスそのものであると感じます。
・「ツーブロックは就職に不利だからNG」と言われたから、地元企業に聞きに行ってみた
・「全校生徒を巻き込まないと」と思い、校則見直しの告知を廊下に貼り出してみた
・厳しい校則に焦点が当たりがちだけど、うちの学校は校則がなさすぎるのが問題
校則見直しには多種多様、十人十色のストーリーがあり、そのひとつひとつがドラマです。そのドラマを、主役の生徒たちが文章にしてみたら、どうなるだろう。その経験もまた新たな学びになるのではないか。そのような気付きから、生徒たちの取り組みの内容を、何かの形で発信できないかと模索していましたが、このたび、プロジェクトの想いに賛同いただいたnoteのサポートにより、生徒たちの校則見直しストーリー発信が実現する運びとなりました。
<全国12校の中高生たちが、noteで校則見直しの取り組みを発信>
カタリバとnoteの協働により、以下の3つの取り組みが実現、両社で全国の校則見直しを行う中高生たちを応援します。
1.校則見直しに取り組む全国の中高12校がnote proアカウント開設
全国の校則見直しに取り組む12校が、note proアカウントを開設し、情報発信をスタート。これらの各学校がnoteで発信する記事は、カタリバが運営する「みんなのルールメイキングプロジェクト」公式noteでまとめて紹介します。
▼開設学校一覧(2021年9月16日時点、順不同)
山形県立遊佐高等学校(山形県)
栃木県立足利清風高等学校(栃木県)
筑波大学附属坂戸高等学校(埼玉県)
ドルトン東京学園中等部・高等部(東京都)
駒場学園高等学校(東京都)
自由学園中等科・高等科(東京都)
新渡戸文化中学校・高等学校(東京都)
大垣市立東中学校(岐阜県)
四條畷学園中学校(大阪府)
泉大津市立小津中学校(大阪府))
大阪夕陽丘学園高等学校(大阪府)
安田女子中学高等学校(広島県)
2.10月20日、生徒向けにnoteディレクターによるオンライン授業を実施
生徒たちの表現力・発信力を磨くことで、より多くの方へ取り組みが届くことを目的として、2021年10月20日(水)に、上記の12校の生徒たちに対して、noteのディレクターによるオンライン授業を実施します。参加校教員に向けては、別途説明会の開催や個別相談でサポートします。
オンライン授業のイメージ。校則見直しを行う生徒が参加したトークセッションより)
<概要>
テーマ:noteをつかった創作のたのしみかた
日時:10月20日(水) 16:30-18:00
場所:オンライン
3.ワクワクする学校の未来をつくる お題企画「#みらいの校則」を開催
各学校で進めていく校則の見直し。ですが、新しい視点でのポジティブなアイデアは、学校の外からも生まれるかもしれません。そこで、カタリバとnoteは、ワクワクする学校の未来をつくる校則のアイデアをnoteで募集するお題企画、「#みらいの校則」をスタートします。すてきなアイデアはnoteの教育アカウントやNPOカタリバの公式note、公式SNSなどで紹介します。
▼お題企画「#みらいの校則」ページ
https://note.com/note_education/n/na1810fb89893
▼連携アカウント
note教育アカウント
https://note.com/note_education/
▼「みんなのルールメイキングプロジェクト」公式noteアカウント
https://note.com/rulemaking/
▼カタリバ公式noteアカウント
https://note.com/katariba/
<noteからのコメント>
カタリバが取り組む「みんなのルールメイキングプロジェクト」は、校則を時代に合わせて見直すだけでなく、その見直しに生徒が主体的に参加することを推し進めています。周囲を巻き込んでルールを決めていくことは、まさにnoteが大事にしている「創作」です。そして、その過程を発信することで、生徒の表現力がさらに育まれます。noteは校則の見直しを全国に広げること、そして生徒が主体的にルールを決めるという創作活動にチャレンジすることに賛同し、情報発信のサポートを決めました。今後もカタリバのさまざまな取り組みと連携し、創作や情報発信の大切さを公共教育分野へ広げていきたいと考えています。
<カタリバ代表理事今村久美からのコメント>
自分の経験を振り返り、言葉にし、伝えるということは、カタリバが創立以来、子どもたちと接する中で大切にしていることのひとつです。子どもたちが自分を客観視するきっかけになり、自分自身を認めてあげられるようになったり、誰かの共感を得て少しだけ自信をもてるようになったり。近年メディアとして大きな広がりを見せるnoteという場で、若きクリエイターたちがどんどん自分の言葉を発信し、自分自身の未来に対して前向きに歩んでいける世界を創っていきたいと思い、今回の連携が決まりました。自分の言葉を紡いでいく作業は、大人ですら時に難しく感じたり、なかなか踏み出せなかったりするものですが、今回はnote社のプロによる講座も開催され、きっと彼らも新しい一歩が踏み出せるのではと期待しています。ルールメイキング企画をひとつの糸口として、今後とも更に連携を広げていけたらと思います。
<note株式会社について>
「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。」をミッションに、表現と創作の仕組みづくりをしています。メディアプラットフォーム・noteは、クリエイターのあらゆる創作活動を支援しています。クリエイターが思い思いのコンテンツを発表したり、サークルでファンや仲間と交流したり、ストアでお店やブランドオーナーが商品を紹介したり、note proを活用して法人や団体が情報発信をしたりしています。コンテンツ配信サイト・cakesも運営しています。
https://note.jp
<認定特定非営利活動法人カタリバについて>
どんな環境に生まれ育っても、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供、2020年からは経済的事情を抱える家庭にオンライン学習支援を行うなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
https://www.katariba.or.jp/