全国の高校生の活動をお伝えする“全国高校生NEWS”。第28回は、福島県立平工業高等学校の生徒会。アフリカ・マリ共和国に運動靴を送る活動をはじめ、多くの社会貢献活動を行う平工業高校。その中心となる生徒会から、代表生徒3名に話を聞きました。
生徒会に入った理由を教えてください。
内山: 私は、姉2人がもともとこの学校の生徒会長をやっていて、生徒会活動に興味がありました。さらに“サポーター制度”というものがあって、役職がなくても生徒会の一員として活動できることを知ったので私もやりたいなと思い、生徒会に入りました。
千葉: 私は内山さんと親戚なのですが、私の従姉妹にあたる内山さんのお姉さんから「生徒会面白いよ」というのは聞いていたんです。さらに “サポーター制度”もあったので、役職がなくても生徒会の一員として仕事をできるということで入りました。
太田: 僕は中学校の頃までは生徒会というものにあまり興味を持っていなかったのですが、高校に進学してから何か新しいことをやってみようかなと思い、生徒会に入りました。最初はどんな活動をしているのかも全く知らなかったのですが、「サポーター制度があるならやってみようかな」という軽い気持ちでサポーターになったのがきっかけです。そこからいろいろな研修会やボランティア活動を通じて社会に貢献していく先輩方の姿を見たり、自分で体験してみることで、改めてこの学校の生徒会活動は楽しいなと思い、仕事が楽しくて今も続けています。
生徒会でされている社会貢献活動について教えてください。
千葉: 今年で16 年目になるのですが、アフリカのマリ共和国へ運動靴を送る活動をしています。3年生が使い終わった運動靴を卒業する前に置いていってくださるので、その靴を送っています。発送するための準備では、夏休みに毎日学校に来て、運動靴を洗濯して干してということを繰り返しやらないといけないので、すごく大変です。たまに「疲れるな」と思ったりもするのですが、いざ発送する時には「自分たちが頑張ることで人を助けられるんだな」というやりがいを感じることができるので、後輩にも受け継いで欲しい活動です。
内山: この活動では、運動靴を発送するための費用も、私たち生徒会が生徒の皆さんに募金を呼びかけて集めています。
千葉: 他にも、今年は地球温暖化を防止するための“福島議定書事業”にも学校全体で取り組みました。生徒会を中心に「電気を点けっぱなしにしていませんか?」などといった校内放送も行いました。そういった活動をしていく中で、自分自身も家での生活で「今は昼間だから電気はいらないんじゃないか」など、日常的に気を付けるようになりましたね。
生徒会に入ってから意識的に変わった点を教えてください。
内山:運動靴を発送する際に業者さんと話したり、生徒会の研修会を通してOB・OGの方と交流をしたり、人前に出る機会が増えたので、コミュニケーション能力が向上したと思います。生徒会の活動は自分のスキルアップにも繋がっていると思いますね。
千葉:私は生徒会に入って人の話をちゃんと聴くようになりました。中学生の時は真面目でも不真面目でもなかったのですが、学校で開かれる講演会や、集会での先生の話がすごく苦手だったんです。だけど生徒会に入ってからは、OBやOGの方が交流会などで話してくれることに対して興味を持って聴けるようになり、講演会や先生の話もしっかりと聴くようになりました。
太田: 僕はもともと人前で話すのが苦手で、すぐあたふたしてしまうことがあったのですが、生徒会に入ってから学校説明会の時に体験入学生に対して学校紹介をする場面があり、そこで「人前で堂々と話せることは、こんなに素晴らしいことなんだ」と思い自分の殻を破ることができました。その後も、OB・OGとの合同合宿などで人前で発表したり、ラジオ放送に僕と内山さんと千葉さんの3人で出演したこともあって。最近だとプレ文化祭の司会も務めたりと、いろいろなことに挑戦しているので、だんだんと人前で話す、発表するという力が身に付いてきたかなと思います。
将来の夢を教えてください。
内山: 私は今年、ものづくりコンテストの電子回路組立部門に出場したので、そういった経験を活かせる職業に就けたらいいなと思っています。
千葉: この学校に入り、土木の知識をたくさん知ることが出来たので、将来は地域のために貢献できる、道路建設に携われる土木技術者になりたいと思っています。
太田: 僕は音楽の機材に触ってみたいです。将来は音楽プロデューサーになりたいと思い、今は独学でいろいろな勉強をしています。
福島県立平工業高等学校
福島県にある公立の工業高校。機械工学科、電気工学科、制御工学科、土木環境工学科、情報工学科の計5学科を設け、未来を創造するエンジニアの育成に取り組んでいる。