【インタビュー】ラジオディレクター 神谷 友里杏「華やかで遠い存在に感じる人たちも、ラジオだと不思議と親近感が湧く」

さまざまな職業で活躍する人に迫るWorker’s file。第59 回は、文化放送でラジオディレクターを務める神谷友里杏さん。入社一年目にして4つのラジオ番組を担当する、若きラジオディレクターに迫ります。
【インタビュー】ラジオディレクター 神谷 友里杏「華やかで遠い存在に感じる人たちも、ラジオだと不思議と親近感が湧く」

神谷 友里杏(かみや ゆりあ)
東京都出身。慶應義塾大学 法学部政治学科卒業。就職活動中に耳にしたラジオ番組をきっかけに、ラジオ業界で働くことを決意。現在は文化放送入社1年目にして、生放送番組1本、収録番組3本、計4番組のラジオディレクターを務めている。

 

◆華やかで遠い存在に感じる人たちも、ラジオだと不思議と親近感が湧く

仕事内容を教えてください。

ラジオ番組には生放送と収録番組の2種類があるのですが、私は生放送番組を1本、収録番組を3本、計4本の番組のディレクターを担当しています。生放送番組では“キュー振り”という演者さんへの合図出しをはじめ、タイムキーパーやBGMをかけたりということをしています。生放送中の仕切りをするのがディレクターの仕事です。収録番組になるとそれらの仕事に加え、収録した音源の編集なども行っています。

現在の仕事に就くまでの経緯を教えてください。

私は今年の4月に新卒で文化放送に入社をしたのですが、実は1年前くらいまで全くラジオを聴いたことがなかったんです。もともとは全く別の業界を目指していたのですが、就職活動がコロナ禍真っ只中だったこともあり、志望していた進路が閉ざされてしまって。どうしようかと迷っていた時に、家にいる時間も多かったので初めてラジオをしっかりと聴きました。その時には芸人さんがパーソナリティを務める番組をよく聴いていたのですが、そこでラジオに興味を持ち、就職活動を経て、ラジオ局で仕事をすることになりました。

神谷さんが思うラジオの魅力を教えてください。

演者とリスナーの距離感がすごく近いことです。ラジオ以外のメディアでは華やかで遠い存在に感じる人たちも、ラジオだと不思議と親近感が湧くことがあるんですよね。親しみやすさがあるんです。特に生放送だとリアルタイムでリスナーからメールが来て、それをもとに話が展開されたりするので、演者はもちろん、リスナーとラジオ局の距離感もすごく近くて。それはラジオの魅力だと思います。

ラジオディレクターという仕事の魅力を教えてください。

伝えたい内容や、ゲストの方に合わせて、BGMや音を操ることがとても楽しいなと思います。例えばゲストがアーティストの方だったらその方の音楽を流すことがあるのですが、“このタイミングでこの音楽を流して、ここでフェードアウトをする”という感じで、音のデザイン・番組のデザインにこだわることができるんです。テレビだと映像もありますが、ラジオは音だけなので、その分音に全集中できるというのが楽しいですね。ラジオディレクターという仕事の魅力だと思います。

仕事をする中でのやりがいを教えてください。

ラジオディレクターとして仕事をしていると、演者やスタッフ、事務所の方、レコード会社の方など、いろいろなジャンルの方と常に関わってコミュニケーションを取ることになります。私はもともと人とのコミュニケーションが好きなので、そういった時にはやりがいを感じますね。あとはディレクターとして収録を行っていると、演者と同じ空間にいながら息遣いや気持ちを肌で感じることができるので、それは大きなやりがいだと思っています。

仕事をする上で持たれているポリシーはありますか?

まだ入社1年目なのでポリシーと言えるほどかっこいいものではないのですが、いろいろなものに対して素直な心でアンテナを張ることは心がけています。音楽や文化、身近な人の考え方など、何でもいいのでとにかく興味を持つこと。例えば先輩と雑談している時に知らないアーティストの名前が出てきたら、その場ですぐに聞いたり調べたりしています。自分の中にはない新しいことに常に触れておくことで、新たなアイデアに繋がることもありますし、各方面の方とのコミュニケーションにも役立つので、日頃からアンテナを張ることは意識しています。

ラジオディレクターには、どんな人が向いていると思いますか?

想像力が豊かな人ですかね。私は、この仕事に必要な想像力は2種類あると思っています。一つは自由な発想ができるクリエイティブな想像力。この仕事ではアイデア出しや、面白いことを考えたりする機会が多いので、そういった意味ではクリエイティブな想像力が大事かなと思います。あと一つは、人とのコミュニケーションでの想像力ですね。些細なことにはなりますが、例えばこの演者さんは今飲み物が欲しいのかなとか、今このタイミングで話しかけたらまずいかなみたいなことです。ディレクターはマイクで演者に指示を出すので、喋るタイミングなどは自分の想像力を働かせる必要があると思います。

高校生にメッセージをお願いします。

私はもともとの希望進路ではなく、就職活動中に偶然出会ったラジオのおかげで今の仕事ができています。いつ何が起こるかわからないというのは身をもって体験しているので、今やりたいことがなくても焦らないでください。将来の夢が決まっていなくても、その時に自分がやりたいと思ったことを一生懸命やっていれば、自分だけの道が拓けてくるはずです。

お仕事言葉辞典 ラジオディレクター編

【キュー振り】 きゅーふり
演者に対して合図を出すこと。ラジオやテレビなどの撮影現場での指示で使われる。収録の邪魔になってしまうため、声は出さずに手を使って行われることが多い。キュー振りは主にディレクターの仕事として行われる。

お仕事道具見せてください!

【インタビュー】ラジオディレクター 神谷 友里杏「華やかで遠い存在に感じる人たちも、ラジオだと不思議と親近感が湧く」

放送に欠かせない音を出す機械“ポン出し”
番組を放送する際に、ラジオディレクターである神谷さんが操作する機械“ポン出し”。100以上あるボタンを駆使し、効果音やBGMなどの音素材をかけたり止めたりという操作を行います。

INFORMATION

「高校生が先生になる」。高校生が文化放送を青春ジャック!
【インタビュー】ラジオディレクター 神谷 友里杏「華やかで遠い存在に感じる人たちも、ラジオだと不思議と親近感が湧く」

<アオハルナビゲーター>
火曜日:THIS IS パン
水曜日c世間知らズ

<放送日時>
毎週火・水曜日
19時~21時 生放送

Twitter:@oideyo_aoharu