株式会社短歌研究社は、史上初の短歌イベント「アイドル歌会」の第10回記念スペシャル開催を決定した。正式イベント名は「アイドル歌会@お花見スペシャル」。 2021年7月6日に第1回「アイドル歌会@サラダ記念日」を開催して以来、東京池袋のミクサライブ東京を本拠地にして回を重ねたほか、お台場の「東京アイドルフェスティバル」でも2年連続で「特別出張版」を開催。合わせて今回が10回記念ということで、注目度も上がっている。今回は、3月に街のあちこちで開催される大人の文化祭・池袋文化祭の「短歌部」イベントとして加えた。
●参加アイドル(五十音順)
・大場花菜(=LOVE)
・岡田彩夢(虹のコンキスタドール)
・鹿目凛(でんぱ組.inc)
・寺嶋由芙
・宮田愛萌
・律月ひかる(いぎなり東北産)
・司会・選者 吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)
・選者 俵万智(歌人)、笹公人(歌人)、國兼秀二(短歌研究編集長)
●会場 ミクサライブ東京シアターミクサ
・開場18:30、開演19:00(19:00配信開始)
・会場席チケット(抽選)申込受付=3月7日12時〜3月12日23時59分
・配信チケット=(発売開始日時は後日発表)
・料金(税込) 会場席(抽選)=4400円、配信=2750円
●第1回「アイドル歌会@サラダ記念日」(2021年7月6日=サラダ記念日に開催、於ミクサライブ東京・ホールミクサ)は、リアル会場チケット一次販売分が数分で完売。その後、回を重ねるごとに、全国紙・テレビでも大きく取り上げられました。
●2023年1月27日放映のNHK番組「プロフェッショナル」の俵万智さんの密着回では、アイドル歌会が取材され、番組で出演アイドルの一人・鹿目凛さんがインタビューに答えるなど、ここにきてさらに盛り上がりを見せています。
●イベントは二部構成です。由緒正しき「歌会」と、平安貴族が楽しんだ歌遊び「付け句」。アイドルとファンの皆さんが、いっしょに短歌を作って盛り上がる、伝統的かつ斬新な短歌イベントです。
●イベントの内容●
第一部 アイドル歌会
・由緒正しき「歌会」の作法に則り、アイドルが自作の短歌を持ち寄ります。まずは作者の名前を伏せて、アイドルも、ファンも、出された短歌のどんなところが好きか、胸にキュッと刺さるか。解釈・鑑賞をして、よいと思った短歌に投票します。
第二部 思いよ届け! 念力付け句大会
・古くて新しい短歌の遊び、「付け句」大会。
・アイドルが半分作った短歌を、ファンたちみんなで完成させよう、というファン参加のイベントです。
・アイドルが作った上の句(五・七・五)に、ファンたちが下の句(七・七)をつける。または、アイドルが作った下の句(七・七)に、ファンたちが上の句(五・七・五)をつける。
●企画の趣旨●
・俵万智さんの『サラダ記念日』が280万部のベストセラーになり、空前の短歌ブームに日本が沸いたのは30余年前です。いま、SNSの広がりで、短い言葉で気持ちを交わす「短歌」のブームが始まろうとしています。
・愛を届けるといえばアイドル、愛を交歓し合うのはアイドルと推しアイドルを応援するファンたち。アイドルと短歌との出会いーー。一晩かかってしゃべったことより、三十一文字のほうが気持ちが伝わることがあるんです。
●企画のポイント=短歌もアイドルも、『推し』文化の仲間です●
・大事なのは、短歌に一番はない、ということです。上手い、下手はないということ。あるのは、どの歌が好きか、どの言葉が胸に響くか、です。
・歌会の肝は、アイドルとファンたちが、いかに「推し」アイドルの歌を鑑賞し合うか、みんなで発想を広げ、世界観を広げる。鑑賞・推し、それが短歌です。
●2022年9月には初の歌集『アイドル歌会公式歌集1』(発売=講談社・税込1650円)を発売。イベントで生まれた歌を、トークの再現と共に収録して話題です。
●今回の「アイドル歌会@お花見スペシャル」参加アイドル・五十音順
(選者プロフィール)
●俵万智(たわら・まち)=1962年大阪生まれ。280万部という、現代短歌では最大のベストセラーとなった歌集『サラダ記念日』の著者。同歌集で現代歌人協会賞を受賞。日常で使われる「口語」を用いて、短歌の幅を大きく広げた。ほかの歌集に『かぜのてのひら』、『チョコレート革命』、『プーさんの鼻』(若山牧水賞受賞)、『オレがマリオ』などがある。読売歌壇選者のほか、宮崎で毎年開催される高校生の「牧水・短歌甲子園」審査員もつとめる。2020年に歌舞伎町ホストたちの歌集としてヒット作となった『ホスト万葉集』『ホスト万葉集・巻の二』では企画のはじめから編者として関わった。最新歌集『未来のサイズ』(KADOKAWA)で、詩歌文学館賞と迢空賞をダブル受賞。2020年、短歌の裾野を広げた功績から朝日賞を受賞。
●笹公人(ささ・きみひと)=1975年東京生まれ。第一歌集『念力家族』がNHKドラマの原作となったほか、短歌のエンターテインメント性を追求する第一人者。続く歌集・作品集に『念力図鑑』『抒情の奇妙な冒険』『念力ろまん』作品集『念力レストラン』などがある。大林宣彦監督『その日のまえに』にも出演。「未来短歌会」選者。大正大学客員准教授。「牧水・短歌甲子園」審査員。日本文藝家協会会員。近作『パラレル百景』(北村みなみとコラボ)『なっとうくんの冒険』。最新歌集『終楽章』(短歌研究社)。
●吉田尚記(よしだ・ひさのり)=1975年東京生まれ。ニッポン放送アナウンサー。第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞受賞。ラジオ以外にもテレビ番組やイベント司会、書籍の出版など幅広く活躍。バーチャルMC「一翔剣」の「上司」。またマンガ、アニメ、アイドル、デジタル関係に精通し、「マンガ大賞」発起人をつとめ、著書『なぜこの人と話をすると楽になるのか』が13万部を超えるベストセラーになるなど、アナウンサーの枠にとらわれず活動を続けている。近著に『むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました』(石川善樹と共著)。最新著作は『オタク を武器に生きていく』(河出書房新社)。
●國兼秀二(くにかね・しゅうじ)=1962年生まれ。短歌研究・編集長。91年に講談社に入社。週刊現代編集部、文芸図書第二出版部長、講談社文庫出版部長を経て、17年に短歌研究社社長となり、「短歌研究」編集長を務める。
● 主催・短歌研究社=昭和7年創刊の短歌総合誌「短歌研究」発行元。1988年より講談社の100パーセント子会社となる。日本で最も歴史の長い老舗短歌雑誌「短歌研究」は、戦中は斎藤茂吉、若山牧水、北原白秋など歴史上の偉大な歌人たちの作品を掲載。戦後は、塚本邦雄、岡井隆らとともに、前衛短歌運動の牽引役となる。のちの作家・中井英夫編集長時代に、中城ふみ子、寺山修司をデビューさせた。現在は、短歌を切り口とした新しい短歌書籍、短歌イベントに進出。2020年、歌舞伎町ホストの短歌集として話題となった『ホスト万葉集』『ホスト万葉集・巻の二』がヒット(ベストセレクションは講談社文庫から『ホスト万葉集 文庫スペシャル』として販売中)。アイドル歌会で発表した短歌とトークで構成する『アイドル歌会公式歌集1』を2022年9月出版。