さまざまな活動に励む高校生にスポットを当てるスポットライト。
第51回は、横芝敬愛高等学校自動車部。プロの整備士から自動車とバイクの整備を直接学び、運転を通して整備の大切さを学ぶ高校生に迫ります。
【部員数】
1年生:3名、2年生:4名、3年生:6名
計:13名
人々の生活に必要不可欠な自動車の医者“自動車整備士”
移動手段の主流である自動車。安全・安心に自動車に乗るためにはドライバーの意識がとても大切ですが、定期的なメンテナンスも重要です。整備では、ボルトを締める力や順番などが細かく設定されており、一つでも間違えてしまうとドライバーが命を落とす危険もあります。こまめに整備することとドライバーの意識が、事故のない運転に繋がっています。
― 自動車部の活動内容を教えてください。
加瀬: 車やバイクの整備をしたり、分解して構造を勉強しています。月2回日本自動車大学校の先生に講師として来ていただき、整備士免許を持っていないとできないエンジンを分解して元通りに組み立てる作業を学んでいます。また、3台のマニュアル車と数台のバイクがあるので、学校内のダートコースで、実際に運転することもあります。普通の高校生だとできないような体験をしています。
― 自動車部に入部した理由を教えてください。
加瀬: 昔から車を見たり車の歴史や背景を知ることが好きで、自動車部には車やバイクが好きな人が集まっているので入部しようと思いました。
長田: 親が自動車整備工場をしており、昔から自動車整備士になりたいと思っていました。少しでも長く整備の勉強をした方が、将来役に立つかなと思い自動車整備を学べる高校を探し、この学校に入学しました。
― 自動車部で最も印象に残っている活動を教えてください。
加瀬: 細部まで車を分解し、細かい構造を知ることができたことです。プロの方だと分解して組み立てまで数時間で終わるのを、僕達は数週間かけて分解して組み立てるんです。部品の役割を理解し組み立てることが、僕からしたら非日常でおもしろかったのを覚えています。
長田: 僕はエンジンを分解したことです。エンジンの分解は、整備士の方でもある程度経験を積まないとできなくて。分解したものをエンジンがかかるように戻すのは本当に難しいんです。エンジンにもたくさんの種類があり、締めるボルトのサイズや順番、力などが細かく決まっていて、 実践で学べたことが印象に残っています。
― 自動車部の魅力を教えてください。
加瀬: 学校の一角ではありますが広いところで車やバイクを運転できるところが魅力だと思います。
長田: 高校生のうちから自動車整備について勉強できるところです。多くの人が専門学校に入学してから経験することを早くから勉強できるので、部活ではありますが環境が整っていると思います。
― 部活を通じて学んだことを教えてください。
長田: 車はたった一つのボルトの締め忘れや、オイル点検の怠りで人を死に追いやってしまうんです。部活動を通して、車の点検は整備士にしかできないことだからこそ、一つ一つの作業を丁寧かつ正確に行うことが大切だと改めて感じました。
― 今後の目標を教えてください。
加瀬: 自分達が学んだ知識を後輩へ受け継ぎ、もっとレベルアップしていくことです。
長田: 個人的な目標ですが、自動車整備に関することは誰にも負けたくなくて。知識や技術を身につけて、信頼される整備士になることが目標です。