今号2本目となる“全国高校生NEWS”は、今回で12回目を迎える「お弁当甲子園」。 高校生たちの想いのこもった個性溢れるお弁当と、お弁当に込められたメッセージを紹介します。
最優秀賞
東洋英和女学院高等部(東京都) 長谷波奈
「幕の内弁当は闇」「プチトマト超ムズ」「おにぎり最強」と全盲の友人は言います。彼女は食べやすさを優先し、丼物やおにぎり、パンが昼食の常連だと気づきました。そこで、目が不自由な方でも安全に食べることができ、栄養バランスの良い「バリアフリー弁当」を編み出しました。おかずと一緒に食べられる海苔のカップを使用し、ピックはパスタに代用させ、粉チーズで味わいを引き立て、誤食のリスクを軽減し、楽しい食事となるよう心がけました。ゴミも出ず、お弁当箱も簡単に洗えるため、環境にも配慮しました。このバリアフリー弁当を通じて、目の不自由な方々にとって日常の食事はいかに工夫が必要かを伝えたいです。皆の理解が深まれば、友人も喜ぶこと間違いなし!
特別審査員賞(2作品)
水戸女子高等学校(茨城県) 磯﨑柚那
小学校六年生の時、急に天国へ旅立った母。私に作ってくれたお弁当は幼稚園から小学校六年生の運動会までと短い期間でした。その期間で作ってくれたお弁当は一生忘れません。今回、今まで母が作ってくれた味を思い出して作りました。いつも必ず入れてくれた卵焼き、味はだしを入れて少ししょっぱめに。ウインナーも少し塩コショウをして。そしてお弁当に入っていることはありませんでしたが、家でよく作ってくれた、ささみ肉の衣焼きを入れてみました。あとは彩りや栄養を考えてトマトと枝豆を。トマトは幼稚園の頃のお弁当に入っており、当時は苦手でしたが今は大好きな野菜の一つです。実際に食べてもらえないのが悔しいです。ずっと見守ってね。
広尾学園高等学校(東京都) 阿部咲也香
家でスマホを見ていたら、友達が彼氏と遊園地デートの投稿をしていました。彼氏のいない私はそれが羨ましくて、なんだかモヤモヤしていました。そんな時、このお弁当甲子園を思い出し、「どうせなら、私の妄想彼氏にお弁当を作ってやろう!」と決意しました。最初はヤケクソでしたが、妄想彼氏の好物を妄想して献立を考えたり、オムライスに字を書く時に、水っぽいケチャップが出て崩れないように、まずラップの上で練習したり、彩りを意識して野菜を詰めたり、チーズをハート型に抜いたりと様々な工夫をしているうちに、いつの間にかモヤモヤした気持ちも忘れ、お弁当作りに熱中していました。16歳の夏、お弁当に込めたこの思い、届け!
優秀賞
福岡県立東筑高等学校 大谷拓人
私の母は罠猟師の資格をもち、猪肉や鹿肉の解体をしています。私はジビエは匂いが強く硬いと思っていましたが、母の作るジビエ料理は匂いはなく、とても美味しいです。また、ジビエは高タンパク低カロリーで、栄養価が高いそうです。猪や鹿は害獣として駆除されてしまうけれど、猟師さん達は処理施設で綺麗に精肉して美味しく食べることで、奪った命を無駄にせず、命を繋ぐことを大切にしています。
しかし、こんなに美味しいジビエですが、実際にはあまり流通していません。もっとみんなにジビエを知って食べてほしいという思いを込めてこの弁当をつくりました。
日本大学山形高等学校(山形県) 島田哲平
彼女居ない歴=年齢の私が少し先走って愛情たっぷりなおにぎり弁当を作りました。私の未来の彼女は食べることが大好きな人だと思ったので、卵焼きにカニカマを入れたり、鶏の照り焼きのタレにしょうがを入れたりして食べごたえがある弁当になっています。栄養バランスや彩りも考えて白ゴマをかけたり、アスパラやほうれん草を肉類と調理したりしました。実は自分一人で料理するのが初めてで不安もありましたが、楽しい彼女との未来を想像して頑張ることができました。いつ彼女ができてもいいように料理の腕を上げておきます!!ちなみに弁当をわたす理想のシチュエーションは公園に二人で行ったときサプライズで持っていく場面です。
山梨県立上野原高等学校 牧野心汰
去年受験生だった僕に、お弁当甲子園で姉が、「頼むから受かってくれ弁当」を作ってくれました。そのお礼に、今年は僕が姉にお弁当を作りました。そのお弁当のだるまおにぎりには、片目が入っていませんでしたが、今年は両目を入れることで合格できたことを表しました。玉子焼きとアスパラベーコンは姉が作る定番のおかずで、姉に作り方を教えてもらい初めて作りました。 また、酢には過酸化脂質の上昇を抑える働きや、美肌効果があります。その為、女子力をアップしてもらいたいと思い、酢豚を入れました。姉ちゃんいつもありがとう、喜んでもらえたら嬉しいです。
群馬県立高崎女子高等学校 奥田羊歩
花屋を開くことを目指し、今はフラワー装飾技能士の資格を取るため勉強しているいとこへのエールです。お弁当全体で花壇を表現するためパンは全粒粉、彩りと栄養のためにレタスとトマトも入れました。いとこの一番好きな花はガーベラで、その花言葉「常に前進」もいとこが教えてくれました。それ以外にも、お弁当を作るにあたって色々な花言葉を調べ、デイジーの「希望」やムスカリの「明るい未来」などを知りました。花のこと以外にも、昔から一緒に遊んだり出かけたりとお世話になってきたので、感謝と応援の気持ちを込め、それらの花をいとこの好きなサンドイッチにして渡しました。いとこはどの花も当ててくれ、「ありがとう」と言ってくれました。
第12回 お弁当甲子園
鎌倉女子大学と高校生新聞社が主催の友達との絆や家族愛、感謝の気持ちといった自分の想いをお弁当で表現してもらうコンテスト。12回目を迎えた今大会では、全国333の高校から11,163作品の応募があり、年々応募数が増えています。自ら創作することの楽しさ、食・健康の重要性などを自主的に考える機会として家庭科の授業に取り上げられたりしています。:
鎌倉女子大学と高校生新聞社が主催の友達との絆や家族愛、感謝の気持ちといった自分の想いをお弁当で表現してもらうコンテスト。12回目を迎えた今大会では、全国333の高校から11,163作品の応募があり、年々応募数が増えています。自ら創作することの楽しさ、食・健康の重要性などを自主的に考える機会として家庭科の授業に取り上げられたりしています。: