オープニングは「Just One 10 Minute」というタイトルにあやかり、イ・ヒョリのカバー曲「10 Minutes」でスタート。ダンサーに担ぎ上げられる大胆なパフォーマンスを取り入れ観客を魅了すると、「Fu*king great time」ではシャツをまくりあげ、美しく割れた腹筋を見せつけると、初ソロアルバムのタイトル曲「STAY」では、ステージの上で生着替えを披露し、会場を沸かせた。 ファンミーティングコーナーでは、「Mystery Elevator」が97階の「セレクトショップ」に到着。97年生まれのチャウヌに関連したグッズが置かれた店で彼が手に取ったのは、「黄色い帽子とリボン」。これは幼稚園のお遊戯会で、彼が着たものと同じものだ。アイテムを着用し、「5歳、イ・ドンミン(本名)です」と元気に自己紹介して、恥ずかしそうにしながらもノリノリでミッションのかわいいポーズを披露してファンを喜ばせた。 30日の誕生日には、このコーナーで紫色の大きなプレゼントボックスが登場。ボックスの中からASTROの末っ子メンバー、ユンサナが「Happy Birthday To You」を歌いながらケーキを持ってサプライズ! 二人でハグを交わすと、「ソウル公演に行けなかったので、日本に駆けつけました。こんな弟はなかなかいないよね? お兄さんが一人でこんな大きな会場で公演をするなんて、胸がいっぱいになりました」というユンサナに、ニコニコの笑顔を見せるチャウヌ。ファンのペンライトをろうそくに見立て、ふたりで息を吹きかけると、前の席から順番に灯りを消して美しい炎を演出する場面も見られた。
トークとゲームで盛り上がった後は、ASTRO楽曲のセクションに突入。「Crazy Sexy Cool」と「Knock」はメドレーで。30日の「Candy Sugar Pop」ではユンさなが再び登場。ポケットからキャンディを取り出し「プレゼントです。 おめでとー!」といってチャウヌに渡すと、センターステージで二人で仲良く踊り歌い、最後に乾杯のポーズで締めた。
バンドサウンドにアレンジされた「질투(ワンダフルデイズOST)」では、トロッコに乗ってアリーナやスタンドのファンとのコミュニケーションを楽しみながらバックステージへ。「目を合わせるとドキドキしますが、AROHAの反応が嬉しい」と言う。そして「僕の声で聴いてほしくて、スペシャルステージとしてカバー曲を用意しました」と歌ったのは、YOASOBIの「たぶん」。リズムに乗りながら、ファンにも手を左右に振るように促した。「カバー曲を歌うのは、新鮮でワクワクする」と言うチャウヌ。 そして31日は、「ASTROの曲をカバーしてくださる方をお招きします!」と日本オリジナル曲「1番好きな人にサヨナラを言おう」を歌い出すと、彼の歌に続いてスペシャルゲストの山下智久が登場。大きな歓声が上がる中、交互に甘い歌声を響かせた二人は、最後のサビで向かい合い、歌い終わるとガッチリと握手を交わした。 「夜、この曲を一人で練習したらうるうるしました」と言う山下。チャウヌが「山下先輩とは、『MTV VMAJ 2023』で初めて出会い、“また会いましょう”と約束したんです」と二人の縁を説明。山下も「ドラマの撮影中でしたが、約束を果たしたくて来ました」と友情を示した。チャウヌは、「公演が始まる前に、山下先輩が、誕生日プレゼントをサプライズでくださったんです。とても大きなシャンパンをくれました! 今日、飲みます」と嬉しそうにファンに報告。山下は「僕のお母さんが、ウヌさんのことが大好きなんです。皆さんと同じですね。親孝行ができました!」と笑顔を見せて二人でハグを交わし、山下は自身のラブバラード曲「Loveless」を熱唱した。
本編最後のセクションにキラキラ光る衣装で登場すると、回転するセンターステージで宇多田ヒカルの「First Love」を目をつぶりながら感情たっぷりで歌うと、「この曲の歌詞を伝えたくて。僕の伝えたかった想い、届きましたか?」と会場に問いかけた。 「Mystery Elevator」は、最後の場所「星座の保管所」に到着。公演開催地の思い出を描き、星座として記録するのだが、初日は自身の年齢の27、そして2日目は「Just One 10 Minute」の10を星を並べて漢数字にしたが、中心の星にはASTROのロゴマークを描いた。「皆さんのおかげで本当に幸せな昨日と今日でした。皆さんも幸せでしたか?」と会場に問いかけると、「皆さんが主人公の曲です」と長い時間を共に過ごした思い出と愛情のこもった心を伝える「Memories」の優しい歌声で本編の最後を飾った。
アンコールではカジュアルな衣装に着替えて登場すると、アコースティックギターが映えるバラード「You’re the best」で暖かな歌声を届ける。そして「皆さんのおかげで、昨日と今日、世界で一番幸せな人だったと思います」と言って記念写真を撮ろうとすると、会場のファンが一斉に「これからもずっと私たちがウヌの隣にいるよ」というスローガンと共にスマホのライトを掲げ、ASTROの「Like stars」を歌うサプライズを仕掛け、チャウヌを驚かせる。「AROHA、ダイスコ(大好き)! 感動しました。ライトが夜空の星のよう。お互い、星のような存在になっていきましょう」と喜びと感謝を伝えたチャウヌ。最後にダンサーたちとキュートな「Love so Fine」を歌って別れを惜しんだ。 「僕にとって自分の誕生日ということも忘れてしまうほど意味深いステージでした。」と語った。デビュー8年目でリリースした1stソロアルバム『ENTITY』は、21の国と地域でiTunesトップアルバムチャートの1位を獲得。全曲の作詞を自ら手掛けたこのアルバムには、アーティスト CHA EUN-WOOとして、人間 イ・ドンミンとして感じる率直な感情が込められており、また新たな才能を開花させた。韓国では3月1日からドラマ『ワンダフルワールド』(MBC/Disney+で配信中)がスタートし、俳優としても注目を集めているが、彼の活動には常にASTROとAROHAへの大きな愛があることが再確認できた2日間だった。
取材・文/坂本ゆかり