尾崎世界観による単行本『転の声』が7月11日に発売される。
『文學界』掲載時から話題沸騰の同作は、第164回芥川賞候補作となった『母影』以来、3年半ぶりとなる待望の中篇小説(約230枚)。本作『転の声』は、第171回芥川賞候補作に選出された。
■内容紹介
舞台は、ライブチケットの転売が今よりも市民権を得ている社会。ロックバンドのフロントマン・以内右手は、長引く喉の不調が招く不安に追い詰められ、とうとうカリスマ“転売ヤー”に縋りついてしまう。
「俺を転売してくれませんか」
自分たちのチケットに“プレミア”が付いていく。高額取引の痕跡をファンのSNSで確認するたびに、湧き上がる後ろめたい喜び。
尾崎世界観にしか書けない、虚実皮膜のバンド小説にしてエゴサ文学の到達点。
■著者略歴
1984年東京都生まれ。2001年結成のロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル・ギター。12年、アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビュー。16年、初の小説『祐介』を書き下ろしで刊行。
著書に、『祐介』、『苦汁100%』、『苦汁200%』、『犬も食わない』(千早茜氏との共著)、『泣きたくなるほど嬉しい日々に』、『身のある話と、歯に詰まるワタシ』(対談集)、『母影』、『私語と』(歌詞集)がある。
■書誌情報
書名:転の声
著者:尾崎世界観
発売:2024年7月11日
定価:1650円(税込)
判型:四六判 上製カバー装
ページ数:168頁
ISBN:978-4-16-391882-2
URL:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163918822