野球映像 クリエイター 徳田正憲「“誰かのために何かをする”と活気が溢れる」

野球専門のYouTubeチャンネルとして、日本で最も人気がある『トクサンTV』から“トクサン”こと徳田正憲さんがWorker’s fileに登場! YouTuberになったきっかけや、強豪・帝京高校で野球に打ち込んでいた学生時代の話などをお聞きしました。

野球映像 クリエイター 徳田正憲「“誰かのために何かをする”と活気が溢れる」

徳田正憲(とくだ まさのり)
1985年生まれ。東京都出身。帝京高校野球部出身で、3年生の夏に甲子園出場。創価大学では、主将として全国ベスト4、リーグ首位打者、盗塁王、ベストナインに輝く。2016年にYouTubeにて『トクサンTV【A&R】』をスタート。チャンネル登録者数は80万人(2024年5月現在)で、野球に関する動画を毎日投稿している。

 

◆“誰かのために何かをする”と活気が溢れる

仕事内容を教えてください。

野球専門のYouTubeチャンネル『トクサンTV 【A&R】』の動画制作を行っています。動画では、子どもから大人まで実践したくなるような野球のテクニックを紹介しています。

現在の仕事に就くまでの経緯を教えてください。

帝京高校で3年生の夏に甲子園に出場し、創価大学の野球部に進みました。大学卒業後は一般企業で働きながら、硬式野球チームや草野球チームに所属し野球を続けてきました。一度、野球指導者を目指し教員免許を取得するために筑波大学に進学したのですが、その途中で動画制作を手伝うようになって。結局教員免許を取らないまま大学を中退し、現在に至ります。

教員免許を取得しなかったことに後悔はないですか?

ないですね。教員を目指したきっかけが、自分が学んできた経験や野球哲学・人間哲学を、野球を通じて子どもたちに伝えていきたいと思ったからなんです。在学中にYouTubeに出会ったことで、教員とは違う形でも僕が伝えたかったことを教えられると気づきました。最初はYouTubeを仕事にするとは思っていませんでしたが、結果的には幅広い年代の方に野球の魅力を伝えることができているのでよかったと思います。

YouTubeの企画はどのように考えているのですか?

毎週月曜日に定例会議を実施し、それに向けアイディアを考えてきてみんなで協議しています。現在は5人チームで動いているのですが、チャンネルを開設したばかりの頃は相方のライパチと2人で、死に物狂いで企画・撮影・編集を全てやっていました(笑)。

YouTuberの経験から気づいたことはありますか?

人への伝え方は日々学んでいます。僕自身、技術をインプットするために野球をやっていたため、いざアウトプットするとなると難しくて。仲間内であれば、伝え方が足りなくてもコミュニケーションによってフォローできます。しかし、動画だとうまく伝えられるか不安になるため、視聴者さんに向けて配信する時はいつも緊張しています。野球の魅力や練習の意味、道具の特徴をわかりやすく伝えるために、引き出しを増やすことを意識しています。

徳田さんはどんな高校生活を送っていましたか?

部活一辺倒の生活でした。自宅の最寄り駅から学校の最寄り駅までは電車約50分だったのですが、野球部は7時から朝練があったので5時過ぎには家を出ていました。授業が終わるとすぐにグラウンドに行き、遅くまで練習。家に帰ってからも自主練をして、また5時に家を出る……そんな生活を3年間していました。勉強面では、僕は一般入試で高校に入学したので他学科よりも授業時間が長かったんです。とにかく練習時間を確保するためにも、勉強は授業中に集中して取り組んでいました。

高校生時代、将来についてどんなことを考えていましたか?

将来のことよりも“甲子園に出場する”という大きな目標があったので、先のことは何も考えていなかったです。正直、3年間大変なことだらけでしたが、目標があったから過酷な生活にも耐えられたのだと思います。当時、甲子園出場の先のことを考えていたら、より良い学生生活を送れたのかなと考えることはあります。

高校生時代の野球部の思い出を教えてください。

2年生の秋季大会の初戦でコールド負けをしたんです。その時に監督から「もう2年生は使わない。今後は1年生中心で戦っていく」と言われました。冗談ではなく、本当に練習をさせてもらえなくて。 “甲子園に出場したい” という理由で帝京高校に入学したため、レギュラーじゃなくてもいいからどうしても甲子園に行きたかったんです。連日、主将と正捕手と今後どう過ごしていくか話し合いました。そして「全力で1年生をサポートして、甲子園に行く」と目標を立てて、2年生全員で1年生のサポートに徹することにしたんです。人間とは不思議なもので“自分のために何かをする”と何かと理由をつけてうまくいかないのですが、“誰かのために何かをする”と活気が溢れるんですよね。その姿を監督が見てくれていたのか、徐々に2年生が試合に出場するようになって。実際に当時甲子園に出場したレギュラーメンバーのほとんどがその時の2年生でした。もしあの時の目標が“自分たちの代で、甲子園に行く”だったら、全く違う生活を送っていたと思います。

仕事のやりがいを教えてください。

僕が学生時代に経験してきたことが誰かの役に立ったと感じられた時です。一緒にYouTubeをしているライパチに指導するというテーマの動画も多くあるのですが、その動画を観た視聴者さんから「そうやって打てばいいんですね!」や「打ち方を実践したらホームランを打てました!」などのコメントをいただくんです。好きな野球を仕事にして、自分の経験が視聴者さんの役に立てることが本当にありがたいなと思います。

今後の目標を教えてください。

『トクサンTV』も今年で8年目になります。プロ野球選手や強豪野球部OBなどさまざまな方に取材をしてきましたが、高等学校野球連盟や各プロ野球球団など興味のある方がまだまだたくさんいます。いつか取材ができるように、今後も新しいことに挑戦していきたいです。

高校生へメッセージをお願いします。

本当にやりたいことをやれている人は少ないと思います。しかし、本当にやりたいことが見つかるまで、今やっていることに熱量を持って取り組んでほしいです。

お仕事言葉辞典 野球映像クリエイター編

【サムネイル】さむねいる
検索結果やオススメ動画の一覧などに表示されるクリック可能な小さな画像。サムネイルの語源は、“親指の爪”という意味の英語“thumb nail”から。動画の内容をひと目で伝えるために重要なものである。

お仕事道具見せてください

野球映像 クリエイター 徳田正憲「“誰かのために何かをする”と活気が溢れる」
パソコン、カメラ、野球道具
これぞ野球YouTuber! プレイヤーであり自ら編集も行う徳田さんにとって、撮影道具も野球道具もどちらも重要だそうです。

 

INFORMATION

\日本一登録者数の多い野球YouTubeチャンネル『トクサンTV【A&R】』/
野球映像 クリエイター 徳田正憲「“誰かのために何かをする”と活気が溢れる」

チャンネルはこちら!
https://youtube.com/@tvar3375?si=simDCALwxFC1aRCi