さまざまな活動に励む高校生にスポットを当てるスポットライト。
第53回は、神楽が盛んな広島県安芸高田市にある吉田高等学校の神楽部。高校生が見せる華麗な舞いと力強い音色で人々を魅了する神楽部に迫ります。
【部員数】
1年生:2名、2年生:8名、3年生:4名
計:14名
【実績】
第12回 高校生の神楽甲子園
7月23日の部 日藝選奨
“神楽”って?
神楽は、日本神話の神様に捧げる歌や踊りのことで、五穀豊穣の神事「神遊び」が原型と言われ、能や歌舞伎の起源としても知られています。演目は各地方によって様々で、1公演約30〜50分間の内容が多いそうです。広島県は神楽が盛んで、300近い神楽団があります。舞い方やセリフは決まっていないため、吉田高校では他の神楽団を参考に自分たちだけの舞いを披露しています。
―神楽部に入部したきっかけを教えてください。
宗近:弓削高校の生徒が作ったオリジナルキャラクター『上島瑠海』を使って、InstagramやYouTubeなどを活用し、上島町を盛り上げる活動をしています。最近は、月曜日から金曜日まで日替わりでInstagramに活動の様子を投稿していますが、以前は弓削島の古民家のリノベーションを行うなど、 “起業部”という名前を活かして、いろいろな活動を行っています。
―神楽に惹かれたきっかけは何ですか?
植田:小さい頃から、神輿の太鼓を叩く真似をするくらい太鼓が好きでした。そんな僕を見て家族が「だったら神楽を見せてみるか」と言い、その時見せてくれた鬼の迫力がすごくて。動きやセリフの言い方、テレビで見る鬼とは比べ物にならないくらいかっこいいところに惹かれました。
島田:華やかなところです。戦いの場面で衣装が変わるところも好きなのですが、特にお酒を飲むシーンの姫がとても綺麗で好きになりました。
―神楽の魅力を教えてください。
植田:衣装や演出が豪華で迫力がすごいところです。笛から始まるのですが、笛の音が鳴った瞬間に一気に神楽の世界に引き込まれるんです。そこから大太鼓が鳴り物語が始まるんですが、ストーリーを知らなくても迫力と豪華さで見た人はファンになってしまうと思います。ぜひ一度、生で迫力を感じてほしいです!
―部活の魅力を教えてください。
植田:高校生らしい神楽を広めていけるところです。大人の神楽団では、基本的に女性は舞手をしないんです。部活では男女できるだけ一緒に舞うようにしているので、実際に女子の舞手もいます。大人だと難しいとされることをできるのが部活の強みであり、魅力だと思います。
島田:地域のお祭りで神楽をやるので、神楽をやっている人に限らず、神楽を見に来てくれた人やいろんな人と関わることができるところです。
―最も印象に残っている活動は何ですか?
植田:2022年の夏に東京で行われた総文祭の伝統芸能部門に広島県代表として出場できたことです。制限時間13分と短い時間だったのですが、全国の高校生が集まる中で神楽を披露できたことがとても印象に残っています。
島田:普段は高校生ということもあり、日中の公演しかしないのですが、一度夜の公演をしたことがあって。昼間の空気とは違い、すごくテンションが上がりました。結構大きい地域のイベントということもあり思い出に残っています。
―今後の目標を教えてください。
植田:昨年は神楽甲子園で日藝選奨を受賞することができたので、今年も日藝選奨を獲りたいです。2年連続で受賞した高校が今までいないので、吉田高校が初の連続受賞を達成したいです!
衣装の肩切り。袖の部分が外れるようになっており、一瞬で衣装を変えることができます。衣装が変わると盛り上がり、舞台を華やかにしてくれるそう。