さまざまな活動に励む高校生にスポットを当てるスポットライト。
第56回は、東海大学付属相模高等学校登山部。岩壁を登りながら、自身の壁も乗り越える高校生を紹介します。
東海大学付属相模高等学校 登山部
【部員数】
2年生:7名
3年生:16名
計:23名(3月末取材時時点)
スポーツクライミングって?
岩壁を登っていくロッククライミングに、スポーツ的な速さや高さを競う要素を加えた競技“スポーツクライミング”。スポーツクラミングには「ボルダー」「リード」「スピード」の3競技があります。同じルートで登っても、足を置く位置や体の向きなどちょっとした変化で登れなくなることもあるそう。繰り返し登り、細かい調整を行っていきます。必要な道具がなく、初心者でも気軽に始めやすいため、年々競技人口が増えている注目のスポーツです。
― 登山部に入部したきっかけを教えてください。
前川:幼稚園から中学3年まで器械体操をやっていて、高校では新しいスポーツに挑戦したいと思いました。近所のスポーツジムでクライミングを体験したらおもしろかったため、登山部に入部しました。
古賀:僕も体操をやっていて新しいスポーツをやりたいと思った時に、小さい頃にいとこと一緒にやったクライミングが楽しかったなと思い出して登山部に入りました。
― 初めて完登した時の気持ちを教えてください。
前川:最初に登ったのがリードだったんですけど、15mある壁を登れた時は「やった! 登れた!」と嬉しい気持ちでいっぱいでした。ゴールは高かったのですが、体操をやっていたため、高所に慣れていたこともあり、怖くなかったです(笑)。
古賀:僕は下を見たら足が震えてしまうくらい怖かったです(笑)。今は高さに慣れて、楽しさが勝ります。
― スポーツクライミングの難しいところを教えてください。
前川:登る時に使用できるホールドが決まっているため、自分の考えが浅いと行き詰まってしまい登れなくなるんです。同じ場所に足を置いても、足の向きや角度によって前回登れたのに、今回は登れないということも。ですが、ちょっとした工夫やアドバイスで登れるようになり、それを発見できるのが楽しいです。
古賀:気の持ち方が難しいです。始めたての頃はぐんぐん成長しますが、一定のところまでいくと成長が止まってしまって。壁にぶつかって乗り越えられない期間が一番しんどくて、そこからどうやって頑張っていくのかが大事な気がします。僕の場合、友達と一緒に登ってクライミングの楽しさを思い出し、もう一度頑張ろうと気を持ち直すことができました。
― 部活動を通して学んだことを教えてください。
古賀:“継続は力なり”というのを練習を通して改めて実感しました。逆に、継続しないと今まで積み重ねてきたものがすぐパーになってしまうということも実感しました(笑)。
前川:言葉の伝わり方で、自分も仲間も登れるか登れないかが変わってくるんです。クライミングはアドバイスで上達できるスポーツだからこそ、伝える力も大切ということを学びました。
― 今後の目標を教えてください。
前川:個人的には、決勝で予選の順位より下がってしまうことが多いので、予選の順位を上回る結果を出したいです。全体では、6月の引退試合で男女共に団体優勝を目指して頑張ります。
古賀:部員全員が“登山部でよかったな”と思える雰囲気づくりと活動をしていきたいです。また、今年の2月に個人的に出場した大会で惨敗したので、引退後も練習を続けて来年の2月にリベンジマッチをしたいです。