さまざまな活動に励む高校生にスポットを当てるスポットライト。
第57回は、数十秒の本番のために、時間をかけて10種目の技を磨く帝塚山学院中学校高等学校のトランポリン部を紹介します。
帝塚山学院中学校高等学校 トランポリン部
【部員数】
高校1年生:13名、高校2年生:4名、高校3年生:8名
中学1年生:3名、中学2年生:10名、中学3年生:16名
計:54名
トランポリン競技とは?
10種目の異なる技を連続で実施し、演技の美しさ、技の難易度、高さと跳躍時間、いかにトランポリンの中心で演技をすることができたかで点数が決まる競技。トランポリン競技は、やり直しのできない、本番一発勝負! 技を連続でできなかった場合や、トランポリンの枠に触れてしまった時などは、その時点で演技終了となります。競技時間はわずか数十秒! 何ヶ月もかけて練習した成果を一度きりの本番に込めるため集中力が必要となるスポーツです。
―トランポリン部に入部したきっかけを教えてください。
大津:小学生の時に、中学受験する学校を決めるために帝塚山学院の見学に来ました。そのときに偶然見かけたトランポリン部の先輩たちの活動する姿がとてもかっこよかったんです。普通に生活していたら、トランポリンをやることはないだろうな、せっかく受験するならトランポリンをやってみたいなと思い入部しました。
北川:中学受験を考え始めた時、志望校の一つに帝塚山学院がありました。学校を調べた際に、トランポリン部を発見して、おもしろそうだったので体験に来たんです。実際に跳んでみたらとても楽しくて、この学校を受験してトランポリン部に入部しようと受験校を決めました。
―トランポリン競技を見る時のポイントを教えてください。
大津:高さと、技一つひとつの綺麗さ、どれだけトランポリンの真ん中で跳ぶことができているかが高得点を取るための重要なポイントです。
北川:大会では10種目の技をやると決まっており、自分で技の構成を考えます。開始合図から1分以内に最初の技を行い、10種目の演技を連続でミスせず実施できたら、その分点数が高くなります。
―トランポリンの魅力を教えてください。
大津:普段の生活ではできないような回転ができるところが魅力です。また、いつもの自分の目線よりもずっと高い景色を見られるところがとても楽しいです。
北川:1人で技ができるようになった時に達成感を得られるところです。新しい技を練習する時、最初は先生に補助してもらいます。そこから練習を重ねて、1人で跳んでみてもいいか先生に確認し、許可をもらい初めて1人で跳ぶことができるんです。そうやって、新しい技ができるようになるのがとても嬉しいです。
―練習をする時に大切にしているルーティンはありますか?
北川:跳ぶ前に、今まで言われたアドバイスを思い出すことです。意識していても忘れてしまうことがありますが、意識した時としない時では、成功率が違う気がして。そのため、跳ぶ前に“絶対に忘れちゃいけないぞ”と考えるようにしています。
大津:本番前の10種の技を通す練習の時、スポッターをしている部員に「10種目通す!」と宣言することです。意志を強く表し、“何があっても通すんだ!”と自分に気合を入れるためにもやっています。
―今後の目標を教えてください。
大津:8月に行われる最後の大会で、自分の最高点を出したいです。全体としては、新入生が入部してきたので、引退する前に少しでも後輩を育てられたらなと思っています。
北川:私も、最後の大会で自己最高点を出したいです。