第76回の“全国高校生NEWS”は、校地内の広大な土地を活かしてブドウを栽培しワインを販売するといった、6次産業に取り組む北照高等学校の北照ワイン(旅路)プロジェクトを紹介します。
北海道小樽市にある北照高等学校のキャリア教育の一つに「北照ワイン(旅路)プロジェクト」があります。このプロジェクトでは、学校の敷地内にある畑で実際にブドウを栽培し、収穫したブドウをワイン醸造会社に委託。完成したワインをクラウドファンディングで支援してくれたお客様に販売する6次産業に取り組んでいます。ふるさとを支える人材を小樽で育てることを目的に、地域と連携しながら生徒自身が働くことを体験するプロジェクトです。
北照高校では、実の甘さと皮の酸味のバランスが良いのが特徴の白ブドウ『旅路』を栽培しています。旅路は小樽発祥のブドウとして栽培されていましたが、さまざまな理由で一度作られなくなりました。北照ワイン(旅路)プロジェクトでは、生徒たちの手で旅路を復活させることに挑戦! しかし小樽市内に旅路を育てている農家がおらず、北海道余市町の農家の方から苗を購入し2018年に初めて定植。年々苗を増やしていき、ついに昨年プロジェクト内で目標に掲げていた300本の定植を達成しました。
ブドウが芽吹き始めるのは、暖かくなってきた4月頃。畑の世話はプロジェクトに参加している1年生を中心に、授業外ではブドウ作りに関する専門的なことを学ぶ部活“W-NoA部(ウィーノア部)”が行っています。またクラウドファンディングに向けて、営業と広報のチームに分かれ、リーダー決めなどの準備も開始。営業チームは資料を作成し、支援をしてもらうために自ら企業にアポイントを取り営業に行きます。広報は返礼品のデザインやwebページの開設、SNSでの発信を担当。9月頃になると収穫した旅路を醸造会社に持っていき、醸造体験を行います。ワインを熟成している約3ヶ月の間にクラウドファンディングを実施、クラウドファンディング終了後は、協力してくれた会社にお礼の電話をしたり、返礼品の発送準備をしたりと忙しいそうです。2024年度は、約1ヶ月という短い募集期間で目標金額130万を上回る170万円の支援が集まりました。
2020年に初めて作ったワインはオレンジワインでしたが、今回は北照ワインプロジェクトで初めての白ワインに挑戦! 完成したワインは2月頃に学校に納品、生徒たちがラベルを手作業で貼り、お客様のもとに届けられます。納品されるまではワインの出来がわからないため生徒たちも緊張するそう。また学校では毎年ワインを保管し、生徒たちが成人した時に、卒業した年に作られたワインを飲む同窓会を行っています。3年生の石後岡君は「いつか栽培から醸造、販売まで学校で全て完結できるようになったら面白い。将来はワインに関する資格を取り、卒業後もこのプロジェクトに関わっていきたい。」と未来について語りました。
北海道小樽市にある私立高校。普通コース、スポーツコースの2コースを設置し、個々の興味・関心・能力・適性に応じた教育を受けることができます。また地域に貢献し、社会で活躍できる人材を育てるため「ワインプロジェクト」・「キズナプロジェクト」・「アスリートプロジェクト」の3つのプロジェクトを実施。生徒自身がやりがいや充実感を感じられる活動しています。
北照高校HP▶︎▶︎▶︎https://www.hokusho.ed.jp