数多くの人気オンラインゲームを提供するエヌ・シー・ジャパンとイラストコミュニケーションサービスを提供するピクシブ社では、ソウルアクションRPG『ブレイドアンドソウル2』の公式イラストコンテストを10月1日(日)まで開催中!今回YTJ誌では、コンテストの応援イラスト企画に参加している、イラストレーターの江戸屋犬八さんにインタビューを実施。イラスト制作時のポイントをはじめ、イラストレーターを目指す高校生へのアドバイスなどをお聞きしました。
イラストレーター。新卒で勤めた会社を退職後、イラストレーターに転職。森永製菓アイスボックスキャンペーン用イラストや、大塚製薬ポカリスエット初音ミクコラボイラストなどを提供している。
—イラストレーターになったきっかけを教えてください
大学卒業後ハウスメーカーに入社したのですが、その仕事が自分的にはかなり大変で、自分の進路についてもっと真剣に考えなければいけないなと思ったんです。辞めた後のことを考えた時に、好きなことをお金に繋げられたらいいなと思い改めてイラストレーターを志しました。ですが、当時は絵だけで生活することが難しかったため、イラストカットの仕事や絵を教える講師など、別の仕事をしながらpixivやTwitterに絵を投稿して。ありがたいことにイラストの仕事で声を掛けていただくことが増えたため、今はイラストレーター1本で仕事をしています。
—絵を描き始めたのはいつ頃からなのでしょうか?
小さい頃は全く絵を描いておらず、絵に興味を持ったのは高校時代です。『攻殻機動隊』という1995年に公開されたアニメ映画を観て、ものすごく丁寧な絵がアニメーションとして動くことに“世の中にはこんなに絵が上手い人がいるんだ”と感銘を受けました。出身が田舎の方だったので、大学に進学するまでアニメの話ができる友達がいなくて。大学で友達ができ、話をしていくうちに、いろいろな世界があることを知ったんです。最初は自分で絵を描こうとは思っていなかったのですが、実際に絵を描いている友達がいたこともあり、絵を描くサークルに入って自分でも絵を描くようになりました。
—普段絵を描かれる時に意識していることはありますか?
絵の見やすさと伝わりやすさです。例えば、キャラクターが2人いて、仲がいい様子を描きたいのか、恨みあっている様子を描きたいのかで変わってきます。自分の絵はそれぞれに伝えたい想いを込めて描いているため、それが間違って伝わらないように心がけています。
—絵を描く時のポリシーを教えてください。
仕事で絵のやりとりをさせていただく時は、ラフを見ていただく人に選択肢を持ってもらえるようにパターンをいくつか用意しておくことです。ラフを提出する際に1枚だけだと、他のものを描けるチャンスを失ってしまいます。もっといいアイディアがあるのに、それを掬い取るチャンスがなくなってしまうのはすごくもったいないこと。そういうチャンスを増やすためにも、ラフは2〜3パターン準備しています。自分の趣味で描く時は、絵全体の見やすさはもちろんですが、見る人によって受け取り方は違うので、見た人が嫌な気分にならないようにしようと心がけていますね。
—今回提供された絵のポイントを教えてください。
今回の絵は、ゲーム内で恋に落ちるユギとサルビが、次第にお互い好感を持って付き合うようになった時、どんな風に2人の時間を過ごしていたのか想像しながら描きました。実はこの2人、ゲーム内では敵対する“修羅”と“神獣”という存在の回帰者という設定です。特別な存在である2人が人前で会うことは難しいだろうなというところから想像を広げてラフを考えていきました。
—コンテストの絵を制作する上でのポイントを教えてください。
コンテストに応募する人はたくさんいるので、とにかく作品を目立たせることを考えた方がいいと思います。しかし、その目立ち方がとても重要で、絵柄で目立つのではなく、コンセプトで目立つということが大事です。例えば、絵にメッセージを持たせたり、他の人が思いつかないようなシチュエーションにすることが1番の突破口になると思います。シチュエーションを考えるのが難しいと思っている人は、キャラクターの内面やゲームの外のc想像を膨らませてみるといいです。自分だったら、普段は相棒として戦っている2人が喧嘩をしたらどうなるのか、ひとり時間はどう過ごしているのか、他の人と会っている時の雰囲気などを想像しながらラフを描きます。もちろんゲーム内の延長戦でキャラクターがやりそうなことを膨らませていくことが大切ですが、そういう意外なものが良かったりするので参考にしてみてほしいです。
—締め切りと創作活動の時間をやりくりするコツなどはありますか?
今の自分が絵を描くのにどれだけの時間がかかるのかを計測し理解することです。締め切りが決まり改めて先方と提示された期間で自分ができることできないことを話し合うのですが、提出までの作業時間などを自分で決めなければいけません。ラフにかかる時間、キャラクターと背景、構造物、それぞれを今の自分がどれくらいの時間で描けるのかを見える化しておくといいと思います。そうすると、締め切りを設定した時に具体的なスケジュールを立てやすく、別の仕事も入れられるなど全体の把握もできるようになりますよ。
—絵が上手くなるためにしておいた方がいいことはありますか?
絵を始めたばかりの頃は、ウェブサイトで絵の書き方を教えてもらったり、プロの個人サイトを見て絵を模写したり、ラフの書き方の紹介ページを見たりしていました。あとは、自分の身の回りにあるものをしっかりと観察することです。観察をしていると意外とおもしろい形をしていることに気づけたりします。例えばホチキスが針に刺さるといった“動き”のシステムを理解することで、より本物そっくりな上手い絵を描けるようになると思います。身の回りのものをよく観察し、組み合わせることが上達への近道です。
—イラストレーターという仕事の魅力を教えてください。
いろいろな道具を使い、新しい描き方を開拓できるところがおもしろいと思います。最近ではデジタルツールが発展しているため、今まで思いつかなかった道具の使い方を発見できるんです。デジタルが発展している中で、あえて紙とペンで何ができるかなど、いろんなツールを用いて絵を描けるのが1番の魅力だと思います。
—イラストレーターを目指している高校生にメッセージをお願いします。
絵を描くことは個人作業で大変なことも多いと思います。それでも、絵を世に出した時の達成感や感動はその後の自分の人生のやる気に繋がることがきっとありますよ。だから絵を仕事にしなくてもいいので、描くことは続けてほしいです。初めて描いた時よりも上手になったことを実感できるので、ぜひ継続してみてください。
オンラインゲーム
『ブレイドアンドソウル2』
配信中! ダウンロードして今すぐプレイ!
「ブレイドアンドソウル」の正統後継作であるアクションMMORPG。 相手の攻撃を見極めてからの防御や回避、「武功」の連携技を駆使するなど、キャラクター操作が鍵を握る華麗なバトルを体験することができる。
キャラクター部門、オリジナル衣装部門の2つのテーマでコンテストを実施。テーマごとに指定されたタグを設定の上、pixivに投稿してください。開催期間は2023年8月16日(水)〜2023年10月1日(日)まで。
コンテストの詳しい概要はこちらから
https://www.pixiv.net/contest/bns2