【金沢市立工業高等学校】生徒の活躍を校内外に発信する金沢市立工業高校新聞部

全国の高校生の活動をお伝えする“全国高校生NEWS”。第58回は、校内新聞を創刊から合計260号発行し、生徒の活躍を校内外に発信する金沢市立工業高校新聞部です。

【金沢市立工業高等学校】生徒の活躍を校内外に発信する金沢市立工業高校新聞部
金沢市立工業高等学校(提供画像)

◆自分の思いを“文章”という形で伝えられるのが新聞の魅力

1947年8月13日。金沢市立工業高校新聞部が作る校内新聞『北泉新聞』の第1号が発刊されました。そして、76年たった今もその歴史は受け継がれ、2023年7月20日には第260号を発行。現在は、部員6人で4面分の記事を分担して取材し、年3回学期末に新聞を発行しています。その新聞は校内に留まらず、学校紹介のパンフレットと一緒にオープンスクールに来た中学生や保護者に配布するほか、卒業生の就職先にも送っています。

新聞部の主な活動は、運動部の大会とそれを応援する生徒の様子を取材、在学生や教員へのインタビュー、そして、社会に対する自分達の考えを書くコラム記事「主張」など幅広い内容の記事の執筆。また、新聞に使用する写真も自分達で撮影しています。

新聞部では、新学期が始まると、部長が部員を招集し、大会情報や参加イベントなどのリサーチを行います。そこから新聞部内で企画会議をし、どの行事を取り上げるかを決定します。分担後は、各自取材を行い、期間内に記事を執筆、先生に添削してもらい原稿が完成。そこからレイアウトを組み、新聞の形にします。企画から印刷まで、本物の新聞社さながらの活動です。部長の酒井くんが記事を書くときに意識していることは、“主観を入れつつ、端的な言い回しで書くこと”だそう。「書いているうちに自分の思いがどんどん熱くなってしまう。その思いを伝えられるのが新聞の魅力だけど、主な読み手が高校生なので、伝わりやすい優しい文章を書くように意識している」と語ります。また、一般的な新聞とは異なり、記事の最後に自分達の意見を入れるのが金沢市立工業高校新聞部のこだわり。「自分の考えを伝えることができない生徒が多くなっている時代だからこそ、文章を書くことで、自分を表現することの楽しさややりがいを感じてもらえたら嬉しい」と顧問の渡辺先生は話します。

部員の西尾くんは「新聞部に入部して、今まで読んだことがなかった新聞を改めて読み、自分で書いてみたらおもしろいことに気づいた。これからも自分が新聞部で書くことに挑戦したように、いろんなことに挑戦していきたい。まずは新聞部で特集の記事を書いてみたい」と今後の目標を熱く語ってくれました。

学校で起こった楽しい出来事も、現代社会に抱く意見も、先生や、先輩・後輩達との交流も、いろいろな思い出を記録している新聞部。彼らが卒業しても、学校は続く。だからこそ、今、この時に起こった一つひとつの出来事を新聞という形で長く残していってほしい。その記録はいつの日か、新聞部だけでなく、学校の宝物になっていくことでしょう。

【金沢市立工業高等学校】生徒の活躍を校内外に発信する金沢市立工業高校新聞部
金沢市立工業高等学校(提供画像)
▲個人作業が多い新聞部ですが、大会の記録などの入力作業の時は、集まって作業をします。間違えないよう慎重に行いながらも、みんなで楽しく話しながら作業をするそうです。
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▲6人で4面の新聞の取材・執筆を分担して行っています。部員の多くは、顧問のスカウト! 文章力が光り、コミュニケーション能力が高い優秀な高校生記者が揃っています。
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▲金沢市立工業高校新聞部が発行する『北泉新聞』の創刊は1947年8月13日。今年で76年を迎える歴史のある校内新聞です。今年の7月の発行で260号を迎えました。
金沢市立工業高等学校
金沢市が設置する唯一の高等学校。「人間力」を備えた人材の育成に取り組み、多くの卒業生を産業界に送り出してきました。「エンジニアであるとともにまず紳士であれ」という信念のもと、挨拶や礼儀作法などを教職員・生徒全体で取り組んでいます。また、大学進学する生徒も増えており、進学を目指す生徒には一貫した進路指導を行なっています。