さまざまな活動に励む高校生にスポットを当てるスポットライト。 第55回は、北の大地で日々ブレイクダンスに明け暮れる帯広北高等学校のブレイクダンス部を紹介します。
帯広北高等学校 ブレイクダンス部
【部員数】
2年生:3名、3年生:3名 計:6名
アクロバティックな動きで魅了する“ブレイキン”
“ブレイキン”とは、音楽に乗せて身体のあらゆる部分を使って、回ったり跳ねたりと、アクロバティックな動きを取り入れたダンスです。ショーとして魅せるのではなく、バトルで戦う文化が形成されており、相手よりいかにオーディエンスを沸かせられるかで勝敗を決めます。ブレイクダンスの競技人口は世界で1億人以上! 日本はアメリカ、韓国、フランス、ロシアに並ぶ強豪国の1つとして知られています。今夏開催予定のオリンピックでは正式種目として採用され、世界中から注目されている競技です。
ブレイキンは、DJが会場の雰囲気や流行の音楽を選び即興で踊るため、様々なテンポに合わせたストックを考えておきます。バトルでは、踊りと音楽の調和が勝利の鍵となります。
ストリートダンスのステップには名前と意味があり、どんなに難易度の高い技を繰り出しても、曲にマッチしていない踊りだと評価はイマイチとなるため、曲を理解することが大事!
― ブレイクダンス部に入部したきっかけを教えてください。
水野 私は小さい頃からダンスを習っていたんですけど、中学校にはダンス部がなかったので違う部活に入ったんです。それでも、週一回はダンススクールに通っていました。高校ではダンスがやりたかったので、帯広北ともう一校で悩んで。体験に行った時に前顧問の誘いで入部することにしました。それまではジャズを踊っていたので、ブレイキンは高校から始めました。
鴫原 私も小学生まではダンスを習っていたのですが、中学に進学したタイミングで一度やめてしまったんです。それで高校を探していた時に、前顧問が熱心に誘ってくれてまたダンスを始めようと思い入部しました。
―ブレイクダンスの楽しいところはどこですか?
鴫原 見ている人に“すごい”と思ってもらえるところです。技が全身を使ったアクロバティックなものが多いので、他のダンスよりも歓声が沸きやすいのがおもしろいですね。
水野 冬の大会には3人1組で出場したんですけど、3人でダンスのネタを考えて、組み技ができた時はすごく楽しかったです。
―ブレイクダンスの難しいところはどこですか?
鴫原&水野 全部です(笑)。
鴫原 他のダンスと全然違うんですよ。ずっとクルクルしているし、使う筋力が違いすぎます。技は経験のある先生に教えてもらったほうが上達が早いのですが、今は教えてくれる人がいないので技の上達が難しいです。
―ブレイクダンスのおもしろいところを教えてください。
水野 ブレイクダンスの勝敗は、すぐにわかるときもあるけれど、ジャッジの感性によるところもあります。同じブレイキンでも、ジャッジの好みが違えば勝敗は変わるので、そういうところがおもしろいところです。
―ブレイクダンスを通して学んだことはありますか?
鴫原 先輩や先生がいなくなったことで自分が教える立場になり、教える技術が身につきました。
水野 私は自分でゼロから考えて新しいムーブを作っていくことの大変さを学びました。今までは、先生が考えた振りを教えてもらい踊るという流れだったんですけど、ブレイキンは基礎は教えてもらうけど、その基礎を応用して自分で振りを考えなきゃいけなくて。それが本当に難しいんですけど、ちょっとずつできるようになったかなと思います。
―今後の目標を教えてください。
水野 まだ基礎に囚われている感じがするので、自分らしく、楽しくブレイキンを踊りたいです。
鴫原 自分でやると決めているAトラという技があるのですが、それを成功させたいです。そして、夏の大会で優勝したいです。
ダンスを合わせる時に必須の鏡。合わせる時以外にも、振りやシルエットを確認して、自分の改善点を見つけるのに役立っています。
ブレイクダンスを踊る時の靴選びのポイントは、足首が固定されずに、つま先が柔らかく曲がりやすいものがいいそうです。
部室では即興で音楽に対応できるようにアップテンポの曲からスローテンポの曲まで、ランダムに流れています。
大会前の熱量が誰よりも熱い! 顔が真っ赤になるくらい頑張っていて、最後まで残って練習している(水野さん・3年)/プレッシャーを一人で背負いやすいので、もっと頼ってほしい!(鴫原さん・3年)/「絶対何かやろう」っていう精神が伝わってくる(五十嵐さん・2年)
家で動きを確認してきて、部活で実践している。時間の使い方がうまい(鴫原さん・3年)/ずっとウィンドミルを練習していてつい最近できるようになった!(五十嵐さん・2年)/部活の中で誰よりも動いて練習している!(笠原さん・2年)