さまざまな職業で活躍する人に迫るWorker’s file。第16 回目は、ヒップホップ/レゲエのダンサーとして世界2位にも輝いたGENKI a.k.a. MaxxxXさんに迫ります。
東京都出身。中学3年生の時にダンスを始め、高校生の頃からDANCE ATTACK、GRANDSOUL、Real movement等数々のコンテストで優勝や入賞を果たす。2013年に組んだReggae team”YALLOW YELLOW”では日本予選一位、同年度ジャマイカで行われた世界大会では世界二位に輝くという実績も収めている。最近ではREGGAE DANCEのアジアチャンプを決めるDANCEHALL ASIA 2019にて優勝しDANCEHALL KINGになる等、ジャンルや常識にとらわれずに柔軟な発想で繰り広げる彼の活動や世界観は常に進化し続けている。
自分が好きだと思えることには、夢を持って自信を持って突き進んでほしい
ー仕事内容を教えてください。
二つの軸があって、一つは僕が講師となるダンス教室を開いていて、幼稚園の子から20 代くらいの人たちにダンスのレッスンをしています。さらにその子たちと一緒に発表会に出たりもしています。二つ目はプロダンサーとしての活動です。僕個人としてもダンスのチームを組んでいてイベントに出たり、アーティストの振り付けやバックダンサー、メディアに出るお仕事をすることもあります。地方でワークショップを開くこともあって、そういった時には30 人くらいを相手に出張レッスンをしています。
ーダンスを始めたキッカケを教えてください。
中学3年生の時の社会科の授業で自分の好きなことを調べるという授業があって、僕はスポーツが好きで黒人に憧れがあったので、黒人差別を課題にしたんです。黒人差別について図書館で調べている時にパブリック・エナミーというヒップホップ・グループのロングインタビューを読んで、そのインタビューにすごく感動してヒップホップに携わりたいと思いました。パブリック・エナミーはラッパーなんですけど、その当時の日本ではまだあまりラッパー自体が認知されていなかったので、ヒップホップのダンスを習おうと思いダンスを始めました。僕がダンスを始めた時はまだ若いダンサーがあまりいなくて、高校3年生になるくらいまではどこに行っても僕が最年少という感じだったんですけど、今はキッズダンサーの子もたくさんいて。高校生ダンサーももちろんたくさんいますし、やっぱりダンスを通じて他校の違う学年の子とかとも友達になれたりするので、ダンスは自分のコミュニティを広げるのにもすごく良いと思っています。
ーダンスでプロを目指そうと思ったのはいつ頃だったのですか?
これはもうダンスを始めた時からですね。始めた時から根拠のない自信があって、まだ大した技術もないのに最初からダンスで世界一を目指していました。でもダンスでお金を稼ぐのって簡単ではないので、挫折しそうなことも何回もあって。だけど、結局本当にダンスが好きだったから、プロになることを諦めずにここまで続けられたんだと思います。
ーダンサーとしてやりがいを感じるのはどんな時ですか?
僕は単純にダンスをするのが好きなんですけど、ダンスは僕にとって自己表現の一つでもあるんです。なので、“このダンスかっこいい”、“この曲かっこいい”と僕が思って表現したものを、見た人がさらにかっこいいと思って反応してくれることは間違い無くやりがいに繋がっています。自分が作り出したものでお客さんのテンションが上がってくれている時は僕のテンションもすごく上がりますし、改めてダンスは楽しいなと実感できる時でもあります。
ー読者の高校生にメッセージをお願いします。
僕がレッスンで携わっている高校生は、もちろんダンスが大好きでやっている子ばかりなんですけど、その大好きなダンスを職業にしようと思っている子ってすごく少なくて。ダンスに限らず、“○○のことはすごく好きだけど職業にはできない”と思ってしまっている子って多いと思うんです。だけど僕も最初は根拠のない自信でやっていたダンスが今は職業になっているし、レゲエダンスでは世界2位になることまでできたので、どこで何があるかはわからないんですよ。だから自分が好きだと思えることには、夢を持って自信を持って突き進んでほしいなと思います。
お仕事言葉辞典>>>ダンサー編
【a.k.a】 エーケーエー
主にヒップホップ業界の中でよく使用される言葉。「also know as」の略で、「通称」、「またの名を」を意味する言葉となっている。GENKI a.k.a. MaxxxXの場合、「ゲンキ[またの名を]マックス」という意味になる。
お仕事道具見せてください!
スニーカー集めが趣味でもあるGENKIさん。生徒たちからもらったスニーカーは踊りやすくてデザインもお気に入り。練習の際にはiPhoneで音楽を流します。
Twitter>>>@MaxxxX_tokyo
Instagram>>>maxxxx_tokyo