今号から始まった「菅生健人の土木を知る」。菅生健人が最近興味を持っているという土木について学ぶ本企画の第1回目は、東急建設の水野さんに土木の基礎知識についての話を聴きます。
講師は東急建設株式会社の水野麻香さんです。
菅生:建設業の業種で、よく“土木”と“建築”という言葉を耳にするんですけど、そもそも“土木”とはどんな業種なんですか?
水野:“土木”というのは、山や川などの自然を相手に、鉄道や道路、トンネルを作って、経済活動や、日々の暮らしを支えるいわゆるインフラというものを作る仕事なんです。例えば、“手を洗う時に蛇口をひねったら水が出る”だったり、“トンネルや道路があって移動がスムーズになる”だったり。あとは自然災害後の復興支援にも”土木”は欠かせません。“土木”は当たり前の安全や、暮らしを支えているんです。
▲土木工事とは、木材・鉄材・石材などを用いてさまざまな場所で行う工事のこと。道路工事・トンネル工事・河川(海岸)工事・ダム工事・橋梁工事・土地区画整備・水道工事・下水道工事など、建物以外の建設工事全般の工事のことを指します。
菅生:水野さんの会社では多くの”土木”を手掛けられていますが、僕でも知っているような工事はありますか?
水野:東京メトロ銀座線の渋谷駅ですかね?
菅生:あ〜はい! 新しくなりましたね。
水野:この図は設計を基に3D化したものなんですが、この工事では利便性の向上を目的に、駅のホームを130m東側へ移動させたんです。あと、ホームの幅を約6mから約12mに拡幅しました。
菅生:新しくなった銀座線の渋谷駅に降り立った時、ザ・都会というイメージを持ちました! 大阪にいる友人が東京に来て「東京っぽいところ連れて行ってよ」と言われた時には、銀座線の渋谷駅に連れて行こうと思って!
水野:お〜嬉しいですね。
▲東京メトロ銀座線渋谷駅改良工事の設計を基に3D化したもの
菅生:日々僕たちがいつの間にか過ごしやすくなっているというのは、”土木”に関わる皆さんのおかげだなと今改めて思いましたね。
水野:ありがとうございます。ちなみに今、渋谷駅周辺開発プロジェクトが進められていて、建築分野の話にはなるのですが「渋谷ヒカリエ」や「渋谷スクランブルスクエア」、「渋谷ストリーム」は当社が施工したんです。
菅生:あれを作っていたんですか!? 僕、この前「渋谷ストリーム」で配信ライブをやらせていただいたんです。会場も広くて、めちゃくちゃ綺麗で。
水野:あと渋谷といえば「SHIBUYA109」も、当社の施工です。”109”は”10(トー)9(キュー)”って意味なんです。
菅生:そうなんですね! ちょっとみんなにこの話を自慢して回ろう(笑)。まさに街は”土木”と建築が協力しあって作られていくということがよくわかりました!
幼少期より”歌うこと”をライフスタイルとし、大学在学時はアカペラサークルに所属。現在配信している自身のYouTube番組「こっちのけんと毎週土曜18時」では、歌唱力を披露すると共に、彼女や家族のことなどをテーマとした雑談を展開中。実兄は菅田将暉(俳優・歌手)。
水野麻香(みずの あさか)
東急建設株式会社 土木事業本部技術統括部土木設計部 ICT推進グループに所属。ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の活用を推進、支援することで、”土木”の現場における働き方改革の実現、生産性向上、現場の施工監理の高度化を目指す。