今を生きる人すべてにとって身近な存在でありながら、あまり知らない“オカネのハナシ”。高校生が分かりやすい視点から、税理士・水村先生が“オカネ”について教えます!
経済効果とオリンピックのハナシ
この原稿を執筆している6月中旬現在、オリンピックの開催がいよいよ現実味を帯びてきました。ワクチン接種率も20%を超え、政府としても多少強引に開催に向けて準備をしてきたといったところでしょう。開催賛成派の方、反対派の方それぞれいらっしゃると思いますが、改めてオリンピックの開催意義、そして経済効果について考えてみましょう。
オリンピックの開催意義とは
東京2020大会は、東日本大震災からの復興のシンボルや、オリンピック開催における国民意欲の向上、開催による経済効果を期待してオリンピックを招致し、開催決定に至りました。当初、東京都はオリンピック開催によって32兆円もの経済効果があると試算し、景気上昇に貢献すると期待をしていました。そもそも経済効果とはどういった金額を表しているのか見てみましょう。
経済効果とは
ニュースを見ていると、たまに登場する“経済効果”という言葉が登場します。経済効果について例えてみます。
オリンピックの経済効果
オリンピックの話に戻りましょう。東京都によれば当初、開催が決定した2013年から大会終了10年後の2030年までで、32兆円のオリンピック関連取引が生まれると試算していました。既に1年間の開催延期をしていますから、この経済効果の試算の前提は崩れています。また、観客の有無についての議論もされていますが、入場制限がかかればチケット販売も減り、来場者によるグッズの購入や会場周辺の飲食などが無くなりますから、経済効果は減少します。政府としては、新型コロナウイルスの感染状況や開催方法による経済効果・損失について最適なバランスを探すのに苦心しているでしょう。
今回はオリンピックに関連した経済効果についてお話してみました。高校生のみなさんも消費をすれば経済効果を生み出します。日々の行動から経済効果について想像してみてはいかがでしょうか。