岸和田市立産業高校(大阪府)の図書委員会のオススメ本を紹介します。今回#1では1年生のオススメ本を紹介します。
■『コメの歴史』 レニー・マートン/原書房
私はこの本を読むと必ずお腹が減って、腹の虫が鳴き始めます。その理由はこの本がとても読みやすく、隋所にコメを使った世界中の美味しそうな料理の写真があるからです。そしてコメの歴史の話は、誰かが私たちに対して話しかけているようで、まるで世界の食に触れながら世界を旅行したような気分になれるのです。アジアと西アフリカで生まれたコメが、どのように世界に広がっていったのか。食べ方だけでなく、コメと芸術、コメと祭礼など、おコメ大好きな私には、文化としてのコメも興味深いことばかり。読みながら世界のコメの歴史を学びつつ、旅行気分を味わえるこの本を、皆さんにもぜひ知ってほしいです。巻末にレシピ集も付いています。
【読書時間:20時間】
■『エレジーは流れない』 三浦しをん/双葉社
アニメ化、実写化もされた『船を編む』の著者、三浦しをんさんの新刊です。主人公怜は、追い求める夢も趣味も無い高校二年生。特に大きな悩みも無く、このまま平穏に暮らしたいと願い、二人いる母についても特別視せずにいました。しかし、進路という大きな分岐点を前に本当の母はどちらなのかと考え始めます。そんなある日、地元の博物館で縄文式土器が転売目的で盗まれたことを知り、友人と犯人逮捕に協力します。さまざまな事件が起こる中で、人の繋がりや温かさを感じることができる青春小説です。ぜひ手に取ってみてください。
【読書時間:15時間】
■『地球どこでも不思議旅』 椎名誠/集英社
いつも旅をしている椎名誠さん。子どもの頃から「どっかへ行く」のが大好きで、家から10分ほどの海や山に冒険の旅に出ていたそうです。今はもう大人になり、世界中に出かけ、驚きのエピソードを私たちに語ってくれます。この本も旅先でのことを書いたたくさんの本のひとつ。太陽の国メキシコで大コーフンしたプロレス観戦、真実のラーメンを求めて中国のシルクロードをさまよい、日本では「神様のメッカ」京都で、二千円もするお守りに、「いったい原価計算はどうなっているんだ!」と椎名さんは叫びます。よかったら読んでみて下さい。
【読書時間:19時間】
■『軍師の境遇』 松本清張/河出書房新社
毛利につくか?織田につくか?強大な勢力に挟まれた小さな国は、どちらにつくかで生き延びることができるか、滅亡するか運命が決まります。選択を迫られると、いつも頼られるのは軍師。巧みな交渉術で駆け引きをし、情勢をすばやく見極め決断し、主君を導きます。戦国時代、武将は優秀な軍師にささえられていることが多かったのです。これは名軍師・黒田官兵衛が、あまりにも優秀なので、最後に仕えた秀吉から反対に警戒され、疎まれてしまった皮肉な話。著者の松本清張さんは、推理小説ばかりかと思っていましたが、こんなおもしろい歴史小説も書いていたのかと驚きました。最近、戦国時代が好きな若い人たちも増えているようです。ぜひ読んでほしいと思います。
【読書時間:17時間】
■『レオナルド・ダ・ヴィンチ』 アレッサンドロ・ヴェッツォシ/創元社
この本は、科学者であり芸術家でもあったレオナルド・ダ・ヴィンチが、生まれてから亡くなるまでの67年の生涯について書かれています。誰もが知っている「モナリザ」は、実在の女性をモデルにしたといわれていますが、謎の微笑みの意味を考え何度も書き直し、生涯取り組むことになったそうです。教科書で見たことがある円の中に人間は収まるという人体図の解説は、あらためてすごいなあと思いました。そんな彼は、いつも小さなノートを持ち、見たこと聞いたことを常に書き残していたといいます。こうすることによって、何か疑問に感じたことを考え抜く姿勢が生まれたのでしょう。ぜひ読んでみて下さい。きっと何か気付く事がある本です。
【読書時間:18時間】
■『魔法科高校の劣等生』 佐島勤/電撃文庫
国立魔法科大学付属第一高校、通称「魔法科高校」に入学した劣等生の兄・司馬達也と、優等生の妹・司馬深雪の物語。魔法科高校では、成績が優秀な「一科生」と補欠の「二科生」で構成されています。劣等生として冷遇される兄は、誰にも知られてはいけない秘密を持ちながら、妹のためならなりふり構わず、その頭角を現していきます。達也があらゆる魔法を駆使して敵を倒していくシーンは一番おもしろいところで、毎回ハラハラドキドキ。本当は最強の力を持っているのに、なぜ彼が劣等生なのか。それは読んでいくとわかります。
【読書時間:21時間】
以上6冊のオススメ本を紹介しました。
次回の配信日は11/8(月)の予定です。次回も今回に引き続き、1年生の図書委員会のオススメ本を紹介します。
どうぞ、お楽しみに。
※本情報は、岸和田市立産業高校 図書委員会が発行する、図書委員会だより「yomoyomo」より転載しています。
▼岸和田市立産業高校HP
http://www.kishisan-h.ed.jp/zen/zentop1.html