岸和田市立産業高校(大阪府)の図書委員会のオススメ本を紹介します。今回も#1に引き続き、1年生のオススメ本を紹介します。
■『なぜ「そうじ」をすると人生が変わるのか?』 志賀内泰弘/ダイヤモンド社
とあるサラリーマンの男が、公園で右手に軍手をはめた、左手には二つのゴミ袋を持って掃除をしている老人に出会う。その老人との出会いがきっかけで、男は自分も掃除をしてみようと道端に落ちている一つの空き缶を拾う。そのことにより男の人生は少しずつだが変わっていく。自ら進んで掃除をすることで、さらにそれを見ていた周りの人たちにも変化がもたらされる、つまり掃除をすることは他の人たちにも、影響を与えることが出来る。果たしてその男は掃除をしたことでどんな経験をし、どのように人生が変化していったのか。掃除をすると、いったい何を得ることが出来るのか。本の中でぜひ体験してみて下さい。
【読書時間:21時間】
■『秒速5センチメートル』 新海誠/KADOKAWA
貴樹が小学六年生になったばかりの春、学校からの帰り道、満開の桜の下で振り向いた同級生の明里が「ねえ、秒速5センチメートルなんだって。」と謎めいたことを言い、二人は舞い落ちる桜の花びらの中を無邪気に駆け出します。中学生になる直前、お互いの転校で離ればなれになり、それぞれの人生を歩みます。いろいろな人との出会いや別れ、大切な人の言葉、相手を想う気持ち、切なさや寂しさを感じながら二人は大人になります。そして17年後、また桜の舞い散る日にすれ違ったその人は、振り向いてももういないかも知れない、会えたのか、会えなかったのかというところで終わります。秒速5センチメートルとは何なのかは、読み始めてすぐわかります。そして著者の新海誠さんの背景描写の表現が素晴らしく、読んでいると美しい景色が頭の中にいつも思い浮かんでくる小説です。
【読書時間:19時間】
■『デッドエンドの思い出』 よしもとばなな/文春文庫
2019年に映画化された『デッドエンドの思い出』は、婚約を破棄され、傷ついた主人公の心の変化と、それを見守りながら過ごす西山くんの話です。慰めることはせず、一歩引いた西山くんの言葉がとても素敵で、家族や友人とはまた異なる人の温かさを知ることができます。このような穏やかなのに切ない思い出の物語が五話収録されていて、落ち着いて気持ちを整理したい方にオススメです。温かく切ないラブストーリーを通じて、新しい考え方や人の温かさに触れてみませんか。
【読書時間:20時間】
■『日本で1日に起きていることを調べてみた』 宇田川勝司/ベレ出版
皆さんは、日本で1日に何人赤ちゃんが産まれるか知っていますか?答えは2680人です。では1日に日本のどこかで「くまモン」が現われる回数を知っていますか?なんと3.2回です。今までそんなに気にしたことがないようなことも、日本社会や日本列島で1日に起きていることがたくさん書かれています。一つ一つの見出しに答えが書いてあり、解説もわかりやすいのでパラパラ見るだけでも楽しめます。日本で1日に起きていること、気になりませんか?中でも特に驚いたのは、日本の女子高生が1日にスマホを使う時間が、なんと平均6時間6分ということです。
【読書時間:15時間】
■『齋藤孝の天才伝 5 夏目漱石』 齋藤孝/大和書房
私たちは夏目漱石について多少は習いますが、興味が湧いても、彼についてどうしたら詳しく知ることができるのかわからない、という人に薦めたい一冊です。三歳の頃、痘瘡(とうそう)と言う病にかかり顔中があざだらけになってしまったのが、生涯一番のコンプレックスとのこと。その他たくさんのコンプレックスも、パワーに変えてしまいます。「信用が無ければ世の中へ立った処で何事も出来ない、先ず人の信用を得らなければならない。信用を得るためにはどうしても勉強する必要がある」。この本で、勉強の意味もわかるかも知れません。天才と言われる理由や、悩みを愉快に変える生き方、不機嫌で癇癪持ちなのに憎めない人柄など、夏目漱石という人を再発見できます。ぜひ読んでみて下さい。
【読書時間:16時間】
以上5冊のオススメ本を紹介しました。
次回の配信日は11/15(月)の予定です。次回も今回に引き続き、1年生の図書委員会のオススメ本を紹介します。
どうぞ、お楽しみに。
※本情報は、岸和田市立産業高校 図書委員会が発行する、図書委員会だより「yomoyomo」より転載しています。
▼岸和田市立産業高校HP