vol.15 ギャンブルの仕組みについて

今を生きる人すべてにとって身近な存在でありながら、あまり知らない“オカネのハナシ”。高校生が分かりやすい視点から、税理士・水村先生が“オカネ”について教えます!

みなさんは借金についてどのようなイメージをお持ちでしょうか? 私は、高校生までは借金について“悪”のイメージがついていました。しかし、社会人としてお金の仕事をするようになってからは印象が変わりました。しても良い借金と、できればしないほうが良い借金があるということが理解できたのです。

ギャンブルの仕組み
ギャンブル(賭博)とは、基本的にはお金などを賭けて争う行為です。日本では賭博法という法律があり、原則的に賭博を行うことはできません。しかし例外的に賭博を認められているものもあります。例を挙げてみましょう。

①公営ギャンブル 中央競馬・地方競馬、競艇(ボートレース)、競輪、オートレース
②宝くじ
③パチンコ・パチスロ (風営法遵守の範囲に限る)

日本で認められている賭博は上記に限られ、例えば賭け麻雀やカジノは日本国内で行うことができません(いわゆる違法行為です)。③のパチンコやパチスロはさておき、公営ギャンブルや宝くじについてはお金を賭け、的中すればお金で配当金がもらえるという仕組みです。さて、本題のギャンブルでお金を増やせる可能性についてですが、下記の図を見てください。

vol.15 ギャンブルの仕組みについて

このように、認められている賭博については、集められた掛け金の全てが当たった人に配当金として分配されるわけではありません。掛け金の中から控除額として、その賭博の運営費などを差し引いて、残った金額を当たった人に分配しているのです。そしてこの控除額ですが、公営ギャンブルで25%程度、宝くじに関しては50%程度となっています(これは広く公開された情報です)。となると、賭博に参加するということは、賭けた時点で、賭けた金額の一定額が目減りしているということがわかります。理論的に考えれば、賭博に参加するのは、賭けた金額を全額失うというリスクだけではなく、当たったとしても控除額分は戻ってこないというリスクも併せて負うことになるのです。これらを考えた上で、ギャンブルでお金を増やす可能性は低いという結論です。

それでも、「私はくじ運が強いから宝くじを外したことがない!」という人もいるでしょう。そういう運を持っている人がいることも私は否定しませんし、実際にいると思っています。ですが、仕組みを考えると賭博にはリスクもありますから、よく考えていただけると嬉しいです。それから、賭博には年齢制限があります。この年齢制限を破ると法律に違反していることになりますから、きちんと守ってくださいね。




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