旬の食材に触れるTouch food。第13回目は国内最大の収穫量を誇る「千葉県の枝豆」を紹介します。
「枝豆」=「大豆」
枝豆は「大豆の未成熟な豆」のことを指し、完熟すると「大豆」になります。つまり大豆が未熟な緑色の状態の時に収穫したものが枝豆。植物分類学上、大豆も枝豆もマメ科ですが、農産物としての枝豆は野菜となります。
日本で「枝豆」が食べられ始めたのは、奈良時代あるいは平安時代と言われています。江戸時代中期の文献では「大豆をサヤ葉の柔らかいうちから食べた」、「夏に枝豆売りの姿が町でみられた」などの内容の記述が残されています。
枝豆は、古くは庭先やあぜ道に栽培していたことから、「畦豆(アゼマメ)」と呼ばれていましたが、その後、枝付きのまま売られ、食べられていたことにより、「枝付き豆」と呼ばれ、「枝豆」へと呼び方が変化したとされています。
未成熟大豆である枝豆を食べるという食文化は長い間、アジア諸国独自のもので、1991年頃までは一般的にアジア以外の諸国では食物としての「枝豆」は知られていなかったようです。しかし、近年の健康志向に伴う日本食ブームや冷凍技術の普及により、2000年頃には北米、ヨーロッパ等海外でも塩ゆでした枝豆が食べられるようになり、「EDAMAME」と呼ばれ人気となっています。
千葉県の中でも最大の収穫量を誇る野田市
枝豆の生産量日本一を誇る千葉県の中でも、野田市は主要な枝豆産地の一つ。その栽培面積は約300ヘクタールとも言われています。野田市での枝豆栽培が始まったのは昭和20年代の後半からで、当時は枝豆栽培が主体ではなく、多くの農家が自家用の味噌づくりのために大豆を栽培していました。昭和20年代の後半頃になると食糧事情が回復してきたこともあり、大豆から枝豆の栽培へと変化したようです。ちなみに野田市は、大豆が原料となる醤油産業も古くから盛んで、キッコーマンの本社がある場所としても有名です。
千葉県のブランド枝豆「小糸在来®」(こいとざいらい)
「小糸在来®」は、千葉県の代表的な在来種です。千葉県君津市の小糸川流域中心に栽培を守られてきた「小糸在来®」は収穫量が少なく一般市場には出回らなかったことから「幻の大豆」と言われてきました。
「小糸在来®」は晩成型で、10月中旬から11月上旬くらいまでが収穫期。大粒で甘味が強く、えぐ味の無い素直な味とほのかな香りは、この品種特有のものです。
取材協力:えだまめ日和
枝豆のおいしい茹で方
枝豆(250g)を流水で洗い、塩味を豆一つ一つにしみ込ませるため両端をハサミで切り落とします。
2.塩で揉む
塩(15g程度)を使い、両手で塩もみをします。これをすることによって、枝豆の緑色が鮮やかになり、味もなじみます。
★塩もみした後は、塩を洗い流さずそのままお鍋に入れます。
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