Spotlight VOL.26 北海道函館水産高等学校 相撲部

第26回目のSpotlightは北海道函館水産高校「相撲部」です。高校入学とともに競技を始める人が多く、努力が結果に表れやすいとも言われる高校相撲。2名という少人数の部活動ながらも、日本の伝統文化でもある相撲を通じて、体力、精神力ともに鍛え抜く高校生を紹介します。

Activity>>自分自身、そして仲間の限界に挑む練習風景
相撲って?
日本で1500年以上続くスポーツ。2人の力士が土俵上で組み合い、土俵から出るか、地面に足の裏以外がついた場合、または反則行為を行った場合、負けとなります。力くらべや取っ組み合いから発生したと言われる相撲は、農作物の収穫を占う神事として広まり、これが現在の相撲の原型となりました。歴史・文化・神事・競技などさまざまな側面があり、奥深い要素を持っているスポーツです

相撲の重要な基本動作“四股(しこ)←ルビふってください”を踏む様子。一見簡単そうにも見えるこの“四股”ですが、実は柔軟で強い筋肉が必要。練習前の準備運動にもなるため、毎日欠かさずに行っています。
相撲稽古の基本運動“摺り足(すりあし)←ルビふってください”。中腰の態勢を維持したまま足の裏を土俵から離さないように移動します。股関節周りの筋肉を鍛えることができるそうです。

Interview>>相撲は格闘技のなかでもトップクラスで精神力の向上ができる競技

―相撲部に入ったキッカケは?

木津谷:もともと最初は高校で部活に入る気はなかったんですけど、先生から“相撲部は大会でいろいろな場所に行ける”と聞き、実際に体験入部に行って入部を決めました。
佐々木:僕はもともとヨット部と悩んでいたのですが、先生から“精神面でも肉体面でも強くなれる”と聞いて、相撲部に入部しました。

―少人数の部活の強みは?

田中:やっぱり生徒を個別にしっかり指導できるという点ですね。相撲自体も競技人口はそこまで多くないので、努力した選手が勝ち進みやすい競技だと思っています。僕自身も函館水産高校相撲部のOBなんですけど、当時から高校で相撲を始める人がほとんどでしたね。どうしてもウチの相撲部って1年生の秋から冬にかけての時期に本格的な練習に入るので、精神的にも体力的にも一番キツイんですけど、ここを乗り切った人たちが選手としても人間としても大きくなれると思っています。

―相撲の魅力は?

木津谷:体力はもちろん、精神的にも鍛えられるところだと思います。だけどまだ自信がなくて、大会の時に前に出られなかったりするので、今後の練習でそういった面を鍛えていきたいです。
佐々木:僕は中学生の時にバスケットボール部に入っていたのですが、相撲は球技などでは鍛えられない筋肉を鍛えることができるので、そこが魅力だと思います。あと、相撲は格闘技のなかでもトップクラスで精神力の向上ができる競技だと思うので、そういった点も魅力の一つだと思います。

―部活動を通じて学んだことは?

木津谷:年上の人に対する言葉遣いと礼儀です。僕は漁師町の出身で、どうしても言葉遣いが汚くて今でも悩んでいるところではあるんですけど、部活で先輩や先生と接していくなかで、だんだん良くなってきたかなと思います。
佐々木:僕はやっぱり精神力です。中学時代に比べて精神的に強くなった気がします。実は中学時代のバスケットボール部では怪我が多くて練習ができず、部員とのコミュニケーションもあまり上手くいかなかったんです。だけど相撲部に入って部長や先生と1対1で話す機会が多いので、コミュニケーション能力も身についたかなと思っています。

―部活動を通じて学んでほしいことは?

田中:諦めないで最後までやるということですかね。僕も学生の頃、軽いノリで相撲部に入ったんですけど、やっぱり最後まで頑張ってやり切ったからこそ得たものは多くて。だから生徒たちにも、諦めないで何事にもチャレンジしてみてほしいし、その考えを相撲部で学んでもらって今後の人生に活かしてほしいと思います。

Report>>相撲部に欠かせない3つのもの

練習・試合の際につけるまわし。時には顧問の先生方がまわしをつけて部員と取り組みなどといった稽古をすることもあるそうです。
柱に向かって両手・両足を交互に動かす運動“鉄砲”をするための“鉄砲柱”。何度も繰り返し行い、上半身と下半身の連動性を身に付けます。
土俵を固めるために使う道具“たたき”。土で作られた土俵は稽古を重ねて荒れるため、荒れた土俵を再度固めるために使用されます。

Message>>相撲部員が今伝えたいこと

相撲の稽古をちょっと見!

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